出版社内容情報
世界には標高8000メートル以上の高峰が14座存在する。日本人で初めてそれら14座への完全登頂を成し遂げた竹内洋岳の記録達成を追う、傑作ノンフィクション。
内容説明
日本人初、8000メートル峰14座完全登頂。記録達成までを追うノンフィクション。
目次
第1章 8000メートルの山とは(8000メートルという超高所とは;日本人初になった理由 ほか)
第2章 パートナー募集(パートナー募集!;パートナー決定 ほか)
第3章 チョー・オユーへ(13座目チョー・オユーへ;高度順化 ほか)
第4章 再びチョー・オユーへ(チョー・オユー2度目の挑戦;中島ケンロウの話 ほか)
第5章 14座目ダウラギリへ(14座目ダウラギリに挑む;アイランドピーク ほか)
著者等紹介
塩野米松[シオノヨネマツ]
1947年秋田県生まれ。聞き書きの名手。職人から漁師、登山家までその対象は幅広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
6
全員が登頂することを目指すのか、それとも登頂する班とそのバックップをする班に分けるのか。この判断には絶対の正解というものはないだろう。どちらの方法を選ぶにしろ、チームの人間が納得できるようにする必用がある。現地に行って話し合いで決めるのは困難であるため、事前に話し合いをしておくことが大切になるだろう。2013/09/05
ケニオミ
5
世界には8千m超の山が14あります。日本人で初めてその全てに登頂を果たしたのが竹内洋岳氏です。竹内氏は、測定できる身体機能では特に優れた点がないそうですが、並外れた高度順化の機能を武器に、最後の二つの山(チョー・オユー、ダウラギリ)を目指します。何が起こってもおかしくない8千m超のデスゾーンが、彼に試練を与えます。下るときに道に迷い、1日デスゾーンにいることになったり、着ているものだけで仮眠をとることになったり、常識では考えられないことをした末に手にした快挙でした。まだ若い彼にはもっと頑張ってほしいです。2013/07/08
オカヤン
4
8000mはほんとうにデスゾーンなんだと感じる。ジンクスの10座目の事故。すぐ次の年にボルトを入れたままリベンジしたいる。13.はnewメンバーを公募。山の良さを知ってもらえたいと。13番目のチョーオユー、ラスト14のダウラギリもハラハラ。 かっこいいのは、やめるか登るか、自分の目で見て決めるということ。自分のルールをしっかり守る強さを感じる。次の山は、次の山。しぶい。2022/09/10
にしけん
3
雪山登山行きに向けた本を図書館で探してる際に偶然見つけ、読む。自分的には、山野井さんのことを最高のクライマーと感じており、竹内さんについては、ご本人の著作も何冊か読んだものの、いまいちピンと来ないし、バラエティー番組出演時の発言がなんだかなぁ〜と感じたりして、正直多少の胡散臭さを感じていた。しかし、本書を読んで、当たり前のことながら過酷極まる山行を行うなか、凍傷への対応やアタックに向けた決断など、非常に卓越したクライマーであることが十分理解できた。ご本人自身の手で山行時の内心の葛藤等に焦点を当てた書籍を書2015/10/24
arkibito
3
日本人で初めて世界の8000m峰全14座登頂を果たした竹内洋岳の最後の2座登頂の様子を追ったルポ。同著者による続編で、本人のブログ記事や、無線通信履歴、インタビューが主で非常に読みやすい。一番感じるのは、プロ登山家であるということの気概と、登山を明確に”スポーツ競技”として捉える一環としたスタンスである。そしてまた、ご本人の飄々としたしゃべり口はまるでイチローとそっくりで、自分自身を極めて客観的に観察しているなという印象がとても強い。記録は記録として1つ1つの山に対して真摯に向き合う姿勢も素晴らしい。 2014/04/25