内容説明
コンパクトに「世界」を手にする楽しみ、それが編集だった!「オタク」だった僕が編集者という仕事を選び、水木しげる、鶴見俊輔、種村季弘、赤瀬川原平などの異人たちと交流し、本を作り、アンソロジストとして活躍した半生を辿るエッセイ集。
目次
序章 オタクだった僕
第1章 アンソロジーは花盛り
第2章 装丁ものがたり
第3章 異人たちとの戯れ
第4章 人を集めて何かを編む
終章 編集をこよなく愛す
著者等紹介
松田哲夫[マツダテツオ]
1947年、東京生まれ。編集者(元筑摩書房専務取締役)、書評家。東京都立大学中退。70年、筑摩書房に入社、書籍編集者として五百冊以上の本を編集(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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阿部義彦
22
本の雑誌の最新号で津野海太郎さんが取り上げてたので慌てて本屋に走りゲット。私の好きなちくま書房を創った編集者、ガロ、筑摩書房、美学校(赤瀬川講師の助手)の神保町界隈の三つのトライアングルによって今の自分がつくられたと語ってます。ちくま文庫の創刊、ちくま文学の森、失敗したちくまの総合誌『頓智』〈⇐自分は全10号全て買ってました。〉本人も雑本のオタクで赤瀬川原平さんと出会い意気投合して、良く原平さんの家に泊まったそうです。王様のブランチでも有名です。現在76歳で半病人ですがこの本がちくまへの恩返しです。2024/12/24
marua
5
20代の頃、天野祐吉の広告図像の本から宮武外骨に行き赤瀬川原平にたどり着いて関連本を漁るように読んだ。あの時に得たものは本当にわしの財産。それに携わっていた著者の思い出話は、20代の頃の自分も連れてくる。あの頃と違うのは、今わしは月2回は神保町に行ける環境にあるということ。頑張ったな、わし(笑)古書になって出会った時にうれしい本にしようという心持ちも粋。そしてまた神保町をぼさーっとほっつき歩くのだ。2025/01/16
Go Extreme
2
オタクと雑本への愛情 アンソロジーは花の寄せ集め 文学の森、面白いからタメになる 安野光雅の斬新な装丁 哲学の森と定義集 目次作りと相乗効果 日本文学100年の名作選定 装丁ものがたり、ジャケ買い 印刷に恋して現場を知る 和田誠の装丁と隠し味 異人たちとの戯れ 水木しげる、河童と幸せの問い 鶴見俊輔の記憶力と編集術 松下竜一、志ある貧乏 種村季弘、活字への飢え 路上観察、目玉使いの妙手 論壇地図と似顔絵力 柳田國男「隠れた現実は物深い」 未来の古書作り、タイムカプセル2025/05/01
みんな本や雑誌が大好き!?
2
東京生まれですが、ふるさとといえば「神保町」になるとのことで、中学三年~高校一年のころから雑本をオタクのような心情で蒐集していたとのことです。その収穫本などを回顧もしていました。高校三年の時、学校で「ガロ」という雑誌を拾って感銘を受けて、それがきっかけで大学生になると発行元の青林堂に通ったり、筑摩書房でバイトをしたりするようになり、やがて筑摩書房に入社ということになったそうです。『ガロ』に出会って、書籍(雑誌)編集者になったといえます。2024/12/06
あまたあるほし
1
最近見ないと思ったら病気続きだったのか。2024/10/09