日本語で生きるとは

日本語で生きるとは

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480816160
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C0095

内容説明

いつもの日本語を駆使して戦後の私たちはどのような日本を作りどんな人になったのか?大好評『日本語の外へ』に続く、片岡義男最新評論。書き下ろし。

目次

第1章 英語で生きる人
第2章 立ちふさがるいくつもの壁(世界はすべて片仮名のなか;ペラペラとはなにだったか;文法は勉強しない英語;言葉はきわめて人工的に身につく ほか)
第3章 日本語で生きる(静止と列挙と固い枠;対話をしない人;主体でも客体でもなく;拡大にまきこまれた ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

32
『日本語の外へ』や本書、ならびに英語や国際情勢を論じた片岡の他の仕事において片岡義男は実にあざやかな冴えを見せる。そこから見えてくるのは、彼が英語と日本語の関係を通してそこから更に日本人論・日本論へまで遡及・遡行し、ぐいぐいとスケールを広げていくその手つきだ。しかも彼は(賛否はともあれ)誰の言葉も引用せず、誰の「威を借りる」こともなく徒手空拳で論理を展開させていく。ゆえに「もっと枝葉を刈り込めるんじゃないか」と思えるクドさも見られるのもまた確かで、決して読みやすくはない。が、読ませる強度は並ではないと思う2024/03/31

踊る猫

28
私は日本人として生まれ生きているのだけれど、そこから単純に「自虐」あるいは「自己愛」に走りたいとは思わない。まず日本人や日本語を対象として腰を据えて見つめて、そこから何が見えるのか感じ、それを言葉にする。片岡義男が試みているのはそうした、日本人であることを自らが異国人の立場をシミュレートすることによって語るという離れ業なのだと思う。片岡の言葉/舌鋒は鋭くなる時もあるが、そのベースにあるのは日本語の良さを良さと認めてそれを受け継ぎ日本人として生きることを擁護する姿勢なのだと思った。私も読んでいてタメになった2023/02/11

踊る猫

23
愚直であり、あるいは無骨であり、不器用な論理展開の中に凄みを感じる。片岡義男はこちらに手加減しない。少しでも生じうる曖昧さをとことんまで消去し、次々と言葉を繰り出して説明を重ねる。彼の論述はしたがってかなりくどく、長ったらしく感じられることもある。しかし片岡はそうした書きぶりの中で図らずも日本語で論述すること(それも、片岡のような英語的資質の持ち主が無理して日本語の文脈で論じること)の困難を語っているようにも感じられる。正直、読んでいてキツいものを感じた。だが読み返して彼の論述からもっと深く学びたいと思う2022/08/02

踊る猫

21
この本を通して、私は自分が日本語に対して持っていた印象を問い直させられざるを得なくなった。私は自然に日本語を学んだと思っていたが、片岡義男はその甘い思い込みを否定する。言葉は極めて人工的に、日々の試行錯誤を経て身につくものだ、と。そこから帰結として導き出される結論は、英語学習にしてもコストを恐れず試行錯誤を積んで学ぶべきだということに至る。そして、私たちは日本語を「新たに」学び直すべきかもしれない。私たちが日本語を論理的に使いこなし、他者ときちんと向き合い対応できる存在として今一度いみじくも成長するために2022/12/19

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