出版社内容情報
写真家は何を見、何を考え、何を写そうと撮影するのか。そもそも写真とはどういうものなのか。約50点の写真と共に、石内都の個性豊かな言葉が紡がれていく。
石内 都[イシウチ ミヤコ]
内容説明
写真家・石内都のエッセイ集。写真約50点を収録。
目次
仕事と写真
写真を撮る人
モノクロームからカラーへ
永遠のフリーダ
夏の装い
「ひろしま」2011
Fromひろしま
写真とヒロシマ
遺されたもの達
三冊の写真集〔ほか〕
著者等紹介
石内都[イシウチミヤコ]
写真家。1947年桐生市に生まれ、横須賀市で育つ。初期三部作で街や建物を中心に撮影する。1979年、第四回木村伊兵衛写真賞受賞。2014年、ハッセンブラッド国際写真賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
20
写真家石内都さんの、写真を撮ることを通しての生き方を訥々と語る味わい深い文章だった。初めは、写真を撮ることを仕事とすることは考えていなかったそうだ。いろいろな人との出会いが、石内さんを写真家にしていったのだと思う。ダムに沈んだ徳山村を撮った増山たづ子さんの「すべて写真になる日まで」を見たい。石内さん絶賛の写真集だから。2018/08/15
mitam
4
石内都が広島の平和記念資料館に納められた遺品を撮影した際、作品にひらがなで「ひろしま」とタイトルをつけたのは、土門拳の「ヒロシマ」が念頭なあったかららしい。石内は主を失ったスカートやセーラー服を「美しい仕立ておろしのとき時のように撮り、彼女の喜ぶ姿を思い浮かべる」。ひらがなの名前をつけたことで「男たちのカタカナのヒロシマから解放された」と感じているという。 2018/11/27
Koki Miyachi
4
「ひろしま」などで知られる女性写真家、石内都のエッセイ。訥々と写真との関わりを振り返りエレガントな言葉で語る。静かだけれど、確かな情熱と信念を感じさせる文章は、じんわりと心に染み込んでくる。写真は個人的な営み。撮る本人の全てをそのまま写し込むものだと改めて気付かされた。2017/05/10
Satsuki
3
作者のことをよく知らないまま読み始めたが、個人的な共通点というか似た感覚みたいなもの(群馬の血筋、フィルムへの興味…)もあって気になってしまい一気に読んだ。内なる感覚と像に結ばれている外側ものを結ぶことができるのはやはり「写真関係の人」。対象について絶対的な距離があるのを分かった上で興味を持って近づいていくこと、そしてそれを「伝える」ことについても、真摯な態度があるから文章も読み応えがある。ジメジメしがちな肉親母親についてのくだりもカラッとしている。久しぶりにフィルムで写真を撮りたくなった。2016/08/11
tata
2
★★★☆☆ 暗室ワークの際の写真が浮かび上がってくるぞくぞくとする感覚。暗室ワークもなかなか出来たものじゃないから本当に経験しないとあの感覚はわからないから共感というか感じるものがあった。口紅はふとカラーで撮らなくてはという説明の後に出てくる実際の写真。乾燥してしまっているが鮮やかな写真、カラーでと書いてくれているから白黒にない良さもわかる、ような気がする。2017/01/01
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