明日への回想

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480815040
  • NDC分類 904
  • Cコード C0095

内容説明

書物との出会い、師や友の懐かしい面影…文学とともに生きてきた文学者の回想。戦争末期、ヴァレリーに衝撃を受けて文学の道を歩みだしたフランス文学者・文芸評論家が描く時代と文学と青春。激動の時代を背景に、テクストとの出会い、鈴木信太郎、渡辺一夫、森有正、辻邦生など師や友人への追想を綴る。

目次

一九三〇年私考
不安について
受験極楽
師恩を想う
うひ物まなび
チョコレートと教養
騒がしき惑いの年々
出会いの恵み
青春さまざま
入試二題
ある秘術について
「社会的事実」と「個人的事実」
途切れた橋の上で
何でも知ってやろう
洋書の夜明け
大学の教室で
「経験」の地平で
春の惑い
騒乱の波に揺られて
忘れがたい日のために
夜を日に継いで
前途は遠く

著者等紹介

菅野昭正[カンノアキマサ]
1930年、横浜生れ。東京大学文学部フランス文学科卒業。東京大学教授、白百合女子大学教授を経て、現在は世田谷文学館館長。日本芸術院会員。著書に『ステファヌ・マラルメ』(読売文学賞)、『永井荷風巡歴』(やまなし文学賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

H2A

15
ヴァレリー、マラルメ研究で知られる仏文学者の回想。内容は「業界」向けと思うが、そのような制約を取り払っても戦中戦後期の回想として読める。仏文学者の回想では、阿部良雄がフランスのエコール・ノルマルへの留学記を描いた「若いヨーロッパ」を読んだことがある。そちらの方は克明で系統立っている。その阿部はじめ渡辺一夫、森有正など東大の有名な文学者たちが大勢登場。著者の回想は形式に自由で取りとめもないが読ませる。2014/12/28

Hiro

2
高名な仏文学者、文芸評論家の回想録。最初の方で15歳にしてヴァレリーを読んだというくだりに接して早熟ぶりに驚く。以下主に、戦後混乱期の東京での旧制高校から大学卒業までの著者の文学生活と世相の様子が語られ、卒論提出し大学教員の職を得たところで本書は終わっている。興味深いのはやはり、学究生活で巡り合った師や友人たちについての思い出話。平岡昇、鈴木信太郎、森有正、中村真一郎、渡辺一夫、辻邦生など。自身についてももう少し突っ込んで愛読書や学生生活の様々なエピソードを詳しく語って欲しかったと思う。2024/09/15

1
著者の名前は、辻邦生や福永武彦の本の解説で知っていた。本書は書名通り回想録だが、時間軸に沿って語られたものではなく、あっちにいき、こっちにいきで座談を聞いている味わい。ちょうど戦争末期から戦後の変革期、著者が大学生で文学を志した頃が中心で、人生で決定的に大事なのはその頃なのだと思わせる。登場人物が有名文学者ばかりで、当時の東京大学にこれだけの傑物が揃っていたのかとため息が出るし、そういう人たちに出会っていれば、人生変わるよねという気もする……。2020/11/28

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