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日本語で書くということ

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480815026
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

なぜ『日本語が亡びるとき』は書かれることになったのか?そんな関心と興味にもおのずから応える、ここ二十年の間折にふれて書きつづられたエッセイ&批評文集。

目次

1 日本語で書くことへの希望(この世紀末、文学に希望がもてるか;インドの「貧しさ」と日本の「豊かさ」;『新潮』百年を祝して ほか)
2 日本近代文学について(『浮雲』考;文学の歴史性を読む;漱石と「恋愛結婚の物語」 ほか)
3 アレゴリーとしての文学(読むことのアレゴリー;リナンシエイション(拒絶))

著者等紹介

水村美苗[ミズムラミナエ]
東京に生まれる。イェール大学および大学院で仏文学を専攻。のち、創作の傍らプリンストン大学などで日本近代文学を教える。著書に、『續明暗』(1990年、芸術選奨文部大臣新人賞)、『私小説 from left to right』(1995年、野間文芸新人賞)、『本格小説』(2002年、読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

47
【図書館】「書くこと」、「文学」を信じる作家水村の姿勢は、何も恐れず崖っぷちを闊歩していく。独特の美しさ。「わたしは書きたいから書く、人が読もうと読むまいとよけいなお世話だ」といい、彼女は自身をはるかにこえた「文学」が生き続けていることを証言するために書いていく。「呼び起こす言葉の力」にここにない何かが彼女を文学への書く使徒としている。ポール・ド・マンに関する濃厚な思考展開が息を呑むほど美しい。それは、水村と文学との関連性でもあるだろうし、彼女がド・マンの奥底に全身全霊で耳を傾けているかという証でもある。2014/09/27

奥澤啓

37
水村美苗。麗しいほどの知性の人である。『続・明暗』、 『日本語が亡びるとき』以来、この作家に注目する人は多いはずである。文学を信じる人である。言葉の力を信じる人である。冒頭の小文のなかの、「わたしは書きたいから書く、人が読もうと読むまいとよけいなお世話だ」。そう、作家が矜持とすべきは、その一点だけであろう。「浮雲」考、「英国留学と漱石の小説」、「谷崎潤一郎の「転換期」は精読したい。ポールド・マンについての論考「読むことのアレゴリー」も思考の飛翔が美しい。寡作の人でもある。熟成には時間がかかるのだ。2014/12/16

syota

26
みあさんのレビューに惹かれて手にしたが、期待に違わぬ良書。特に、男目線での解釈が大半だった文学における男女関係に、女性の側から斬新な視点を提供した功績は大きいと思う。漱石や谷崎についての考察など、あっと驚くほど新鮮で鮮やかだ。漱石の中で最も苦手だった『行人』も、もう一度読み直そうと思わせるだけの説得力を持つ。『虞美人草』にしても、驕り高ぶった悪女とされてきた藤尾像を根底から覆す名解釈。第3章だけは私のアタマではついていけず実力不足を痛感したけれど、読みの深さと論旨の明晰さ、着想の大胆さが印象的な一冊だ。2017/07/22

ロマンチッカーnao

22
日本語が亡びるときを読み、感激し本書を手に取りました。水村さんの文学に関する深い思いが伝わってきます。そして夏目漱石への傾倒ぶりは又吉さんの太宰愛よりも深いと感じました。しかし、水村さんの本は文学へのテキストとして何よりも僕にとっては貴重なものです。次は日本語で読むということへと進みます。2016/08/15

kiho

15
作家ごとの文体の特徴への考察はとても興味深い⭐文学の存在、書くこと、読むことを通しての充実感がぐんぐん伝わってくるよう…。思いをきっちり文章にする水村さんもスゴイ方⭐2015/06/08

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