出版社内容情報
一文ごと一語ごとに世界が生まれ変化していく。『する、されるユートピア』『この世の喜びよ』の詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集!
内容説明
言葉が奔り、物語が跳ねる!一文ごと一語ごとに世界が相貌を変えていく―。めくるめく体験に満ちた9つの小宇宙!
著者等紹介
井戸川射子[イドガワイコ]
1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019年、同詩集にて第24回中原中也賞を受賞。2021年に小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞を、2023年に『この世の喜びよ』で第168回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
141
井戸川 射子、4作目です。 本書は、芥川賞作家らしいバラエティに富んだ短編集でした。 オススメは、表題作『移動そのもの』&『通い路』です。 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480805232/2025/05/02
さちこ
48
隠喩とか暗喩に時間を使いたくないと感じるのは残りの人生で集中して本が読める事が難しくなってきたからだろう。2025/05/26
tenori
32
9編からなる短編集。これは難易度が高かったなぁ。言葉の選び方、句読点の位置、文節のつながり。何かしらの社会的な問題を間接的に投げ掛けてくる比喩・暗喩。小説の体ではあるけれど、井戸川射子さんはそもそも詩人だったよなと改めて感じさせる。全体を通して散文詩的な風情で、万人受けするものではないだろう。表題作『移動そのもの』を読みきることができるか。読解力の試験のようで疲れるが、たぶん、自由に解釈すれば良いのだろう。2025/06/29
Tαkαo Sαito
24
間違いなく、井戸川さんにしか書けない文章、小説ではあるのだが、とにかく読み辛い。比喩が多すぎてあっちいったりこっちいったりさせられ、まともに理解できた気がしない。やっぱり癖が強い作家だなぁと思いつつ、好きだから買って読んでるんだけれども笑。2025/06/21
いちろく
19
奥付で著者が詩人でもあると知り納得。独特な句読点の使い方と文章の紡ぎ方に特徴を感じた短編集。短編を読んでいるのに、短編を読んでいる感じがしない。飄々として手のひらからこぼれ落ちるような、掴もうとしたらすり抜けるような感じもした内容。かと言って悪いという理由ではなく、コーヒーを飲みながら読んでいたら、いつの間にか終わっていたという印象。2025/05/16