出版社内容情報
受賞作「空芯手帳」(八木詠美)と最終候補3作品を収録。選評(荒川洋治、奥泉光、中島京子、津村記久子)と受賞者の言葉なども掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
52
『空芯手帳』会社での雑務に嫌気がさしていた柴田は『妊娠した』と嘘をつく。お腹が大きくなってくるのに…すぐにバレる様な嘘をと心配半分、結末への興味半分で読み続けてゆくと、この嘘が徹底している。栄養や運動に気をつけて、母子手帳アプリを毎日つけ、マタニティエアロビにまで通う。産休も取得するという徹底ぶり。彼女は狂っている訳ではない。何が彼女をここまでにするのかが読みどころ。結末は苦笑しつつも彼女の妙な強さと寂しさを感じる。1612020/07/10
detu
22
図書館検索で何を検索したか、出てきたのが本書。恥ずかしながら『太宰治賞』というのは不認知。応募総数1440,一次予選通過90,二次通過15。最終選考4作を掲載。読メレビューは辛辣なのが多かったが、自分的にはどれも面白いと思った。自分の読力が低いのか、こんな本読む人は作家志望が多くてレベル高いのか。新鮮な感じは覚えた。2021/06/10
Minno
1
とりあえず受賞作の『空芯手帳』。読み初めはリズミカルな文体と、偽装妊娠というネタのおもしろさに惹きつけられたが、いつまで経っても、中身らしい中身が出てこない。けっきょくただの愚痴みたいなものを延々と聞かされている長電話みたいで、途中からひどく退屈した。そして最後まで、やっぱり何もなかった。なんとなくこなれた文章を書くが、文章を書くことそのものが上手なひとで、熱心に伝えたい何かを持った人ではないのかな。 2021/05/12
あん
0
幅が広い。妊娠は不思議な話。お笑いはミステリー。ライオンと村は、少しなあ。3.52021/06/30
タロウ
0
応募規定は50枚以上でなかったか。予選通らないから長く書くのか。それなら規定を200枚以上に改めて欲しい。どれも長いだけで未完の作品。まともなのは空芯しかなかったが、それさえ紅白歌合戦の歌手を批評する、そんな場面必要か、ただの枚数稼ぎ。偽装妊娠が知らぬうちに本物になった所もよくわからない。サンキューは短くまとめれば良かったのを長くしたので後半悪くなった。芥川賞受賞作の真似して勃起して小便競争の記述が出てきてチンボツ。ある村はハチャメチャ。最終に残らなかった作品にいい物があった気がする。運が必要なのだろう。2020/12/02
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- 和書
- 釣聖恩田俊雄