出版社内容情報
双眼鏡を片手にふらりと旅へ。地名を手掛かりにその土地の記憶をたどり、人とそこに生きる植物や動物の営みに思いを馳せ、創造の翼を広げる珠玉のエッセイ集。
内容説明
地名から喚起され、想起された世界を描くエッセイ集。
目次
1(塩の道・三州街道の地名;塩の道・千国街道の地名;塩の道・秋葉街道の地名;塩の道・塩津海道の地名;北陸道の地名 ほか)
2(大の字のつく地名;ざわっとする地名;植物系の地名;湖川の傍にある地名;アイヌ文化由来の地名 ほか)
著者等紹介
梨木香歩[ナシキカホ]
1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』、エッセイに『春になったら苺を摘みに』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
117
日本各地にある珍しい地名から想起されたエッセイ集。自分は地理が好きなので面白く読んだが、取り上げられている地名は凄く珍しく読む場所が多く、自分も知らない地名が大半だった。梨木さんは各地を旅して、その由来を知るべく調べたり、想像を巡らせて一冊の本にまとめている。地名には歴史に由来するもの、人の名前に由来するもの等さまざまであることがよくわかる。ただ、本書は読みやすいが、内容は難しい。そんな地名の由来を梨木さんに成り代わり、自分もいろいろ考えながらの読書になった。日本の文化や歴史は深いのだと感じさせられた。2020/05/05
みかん🍊
116
街道、地名に纏わるエッセイ、梨木さんは日本全国あらゆるところを旅し、地名に興味を持ち観察し想像しているんだ、北陸道、熊野街道、東海道など地元に近いところ、行った事のある場所には特に興味を持って読んだが、あまり馴染みのないところはつい飛ばし読み、『家守奇譚』『冬虫夏草』に出てきた場所もあり、琵琶湖をカヤックで巡っていたというアクティブさも驚きだった。2020/08/27
♪みどりpiyopiyo♪
92
今いる場所から風が訪れていくように遠いその土地を思う… ■大好きな梨木香歩さんのエッセイ集を読みました。双眼鏡を片手にふらりと旅へ。地名を手掛かりにその土地の記憶を手繰り、人とそこに生きる動植物の営みに思いを馳せる。■梨木さんの行動力と博識に誘われて、地図やらあれこれ調べながら「いつか行ってみたい」と夢が膨らみました。梨木さんの小説に感じる「自然の奥行き」と「人の営みの豊かさ」は、こうした経験に支えられているのですね。■風が運んできた様な、厳かで軽やかな随想でした♪ (初出 2015〜2019年)(→続2020/05/20
アキ
85
日本書紀や風土記に既に見られる地名や、江戸時代に物流が盛んになり街道や宿場に生まれた地名、アイヌ語が元になったであろう東北の地名、そのどれもが確かなことはわからぬが、そこで暮らす人の営みと分かち難い土地の記憶を表す。著者が大津に住まいを構えていたのが「家守綺譚」「冬虫夏草」に成ったのか。鳥見とカヤックで全国津々浦々訪れる著者が、珍しい地名を見つけると自宅に帰って調べる律義さが目に浮かぶ。色々調べても謎が残り由来が不明なことが多いけど、調べて推測することを楽しんでいる。地名も人生も謎が多い方が味があるもの。2020/04/30
美登利
83
人名、地名は読み方が難しい。特に地名は同じ漢字を使っていても違う読みがある。古来から地域の歴史を伝えるものであることも、注目を浴びている。行ったことは無くても目にしたことがある地名へ旅した梨木さんの静謐なエッセイを読むと、その地の様子が浮かぶようだった。狭い日本だけど、こんなにも地形が変化に富む国はなかなか無いと思う。私が住む千葉県の地名は無かったのが少し残念。2020/07/30
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