内容説明
ほんとうに仲よし?ご近所さん、同級生、同僚―。物心ついたころから、「おともだち」はむずかしい。微妙な距離感を描いた8つの物語。
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年、北海道生まれ。2003年「コマドリさんのこと」で北海道新聞文学賞を、2004年「肝、焼ける」で小説現代新人賞を、2009年『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
110
幼馴染みとか、親友などに恵まれなかった私には、本当の友達がどんなものなのかわからなくなるときがある。心配したり喜んだり…時には叱ったりしてくれる人なのだろうがどうしたらそんな付き合いができるようになるのか…自分の心を開くってどんなことなのか…とこんないい年になってまで悩む。この中には私が安心していられる世界が広がっていた。このくらいでいいのよ…と言ってくれてるような関係が並んでる。離れていても同じ空を見ている…それを感じとれる関係が心地よい気がするな。仔猫の目が気に入りました。2014/01/06
mint-s
66
おともだち....何人かの顔がうかぶけれど、もっともっと薄くて距離が遠い感じの少しだけの関係を描いた短編8話。ちょっと心がざわっとするような読後感のものが多かったな。最後の「今度、ゆっくり」はただの同僚から親しい関係を築いていけそうな温かみが感じられて好みでした。2020/04/30
ねむねむあくび♪
63
最初の「たからばこ」にげんなりした。吐き気がする。嫌なお話。他の作品はともかく「たからばこ」を一番最初に読むと、嫌すぎて、他の作品を読むときも身構えてしまった。女の子の母として、この手の作品には、虫酸がしますね…。2014/01/23
あっ!chan
45
「少しだけ、おともだち」のタイトルにふさわしい作品がいっぱい。下は幼稚園児から上はアラヒィフの中年女子までの心の襞、それもちょっと寂しい切ない思いを隠しつつ微妙な距離感をもった友人関係を築こうとする姿を描いた作品集なのだが、案外というからしいというか、はたまた面倒くさいというかその微妙な心理描写はさすがとは思ってしまう(男が読むとそんな感じがする)けど、きっと女の人にとっても読者を選ぶかなと…2015/02/22
ゆにこ
45
最初の話が最悪だったので、これが続くと辛いなあと思いながら読み進めました。ちょっと嫌な後味の話もありましたが、最後の「今度ゆっくり」は良かったです。2014/03/12