内容説明
東京湾と人々の生活が深くかかわっていた時代、大森海岸からほど近いところに住んでいた小関一家。秀才の兄、文字の苦手な母、魚屋の父、質屋の叔父、さまざまな仕事や商売をいとなむ町の人たちと、その日々の暮らし。やがて戦争による疎開、空襲、捕虜の姿など少年が見た光景とは?さらに敗戦、進駐軍、パンパンガール、メーデー事件と激変する社会に、思春期から青年になろうとする著者はなにを感じたのか?戦中戦後を生きた庶民の日常を、時代と共に子どもから大人へと成長する著者自身の視点で描いた書下ろし。
目次
第1章 銃後の守り(大どぶのある町;戦争がはじまった ほか)
第2章 空襲下の子どもたち(学童疎開;夫婦相和シ ほか)
第3章 平和島のある町(捕虜収容所;工場の時代 ほか)
第4章 戦争は終わっても(バラックを建てる;もうひとつの防波堤 ほか)
著者等紹介
小関智弘[コセキトモヒロ]
1933年生まれ。町工場の旋盤工として五十一年間働きつづけ、現在は作家として、執筆・講演などに専念している
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感想・レビュー
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ちゃま坊
18
「水曜日の凱旋」にも出てきた平和島と大森海岸のこと。 戦時中ここに捕虜収容所があった。敗戦後は巣鴨プリズンに行く前の東条英機が収容された。 さらに米兵相手の慰安婦を集めた施設を日本政府が作った。今は競艇場と水族館とができて、埋め立てで海岸線ははるか遠くにいってしまった。小学生の視点から見た終戦前後の大森の街の様子が描かれる。2023/04/06
Hisashi Tokunaga
0
「大田文学ってどう」 小説と言うか、ドキュメンタリー鎮魂歌と言うか。ちょっと「少年H」と似ているかな。
tu-ta
0
読書メモから引用 http://tu-ta.at.webry.info/201210/article_10.html //// 今日、偶然立ち寄った大森駅近くの入新井図書館で見つけた本。 その場で借りて、その下の階で昼飯を食いながら読み、用事をすませてから、本を読めるカフェを探して、結局、図書館の下にあるカフェで読み終えた。 ぼくが自転車で走り回っている近所の話で、どこもいまの地形はわかる場所なのだが、ほとんど知らない話ばかりだ。 ぼくがいま住んでいるところのすぐ脇にある春日2012/10/21
みふみふ
0
図書館本2025/04/03