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内容説明
西欧の歴史の中で、「主体」が、いかに変形をこうむって来たか―プラトンを端緒として、ストア派の哲学者やキリスト教の教父たちの思想を中心に「自己への配慮」の系譜を追究し、「真理」および「ロゴス」の問題そのものをも問う。フーコーの思想展開を考える上で決定的に重要な講義。
目次
一九八二年一月六日の講義 第一時限
一九八二年一月六日の講義 第二時限
一九八二年一月十三日の講義 第一時限
一九八二年一月十三日の講義 第二時限
一九八二年一月二十日の講義 第一時限
一九八二年一月二十日の講義 第二時限
一九八二年一月二十七日の講義 第一時限
一九八二年一月二十七日の講義 第二時限
一九八二年二月三日の講義 第一時限
一九八二年二月三日の講義 第二時限〔ほか〕
著者等紹介
広瀬浩司[ヒロセコウジ]
1963年東京に生まれる。東京大学教養学部教養学科卒業。同大学大学院総合文化研究科博士課程中退。パリ第一大学博士号(哲学)。現在筑波大学現代語・現代文化学系助教授
原和之[ハラカズユキ]
1967年出雲に生まれる。東京大学教養学部教養学科卒業。同大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。パリ第四大学にて博士号を取得(哲学史)。現在、電気通信大学助教授
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感想・レビュー
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roughfractus02
10
本書は知-権力(真理)と生-権力(主体化)の関係をalèthurgie(真理の現出化手続き)で検討する。ヘレニズム・ローマ期の真理は未知への対処の適切さを表し、自然(真理)と主体の関係の適切な効果をロゴス性や徳と呼んだ。その姿勢は真理を聴く受動性となり、主体は聴き違いを少くする能力、経験、実践を経つつ変わる柔軟性(霊性)を求められた。一方、中世キリスト教社会は真理を目指す手順を告白に集約して話す主体に認識の明晰さを求め、近代科学が自然を見ることに認識を固定すると主体の柔軟性(霊性)もなくなると著者はいう。2024/12/30
レートー・タト
2
プラトンの『アルキビアデス』を起点とする自己への配慮の問題について取り扱った講義。講義故に分かりやすいが、ラテン語・ギリシャ語の用語が多く、メモって日本語に置き換えておかないと混乱する可能性も否めない。個人的な不満点を挙げるとすれば、正統派キリスト教とグノーシス主義の対立構造と、「自己を放棄させるモデル」(「自己」=統治性を可逆的なものにする窮極の抵抗点)についての言及が、あまり掘り下げられていないということか(キリスト教の告解と告白との関連は若干語られている)。だがそれを抜きにしても一読の価値はある。2010/08/20
ULTRA LUCKY SEVEN
1
國分さんの授業で薦められて。フーコーによる「主体」の丹念な追求。思うに、フーコーとドゥルーズは難解な著作よりも、講義録の方を早く文庫化してほしいと思う。ホントにわかりやすくて面白い。「哲学解釈」がビジネスになってしまう国に比べて本家フランスはこんな講義が無料で聞けるのだ。2012/03/02