内容説明
貞淑で美貌で鳴る他人の女房をいかにして寝取るか―中世のバイアグラ「マンドラーゴラ」ほか、鬼才マキァヴェッリの最も知られざる一面、詩人にして劇作家の全貌を鮮やかに示す傑作の数々を本邦初訳で収めたユニークな一巻。
目次
マンドラーゴラ
クリツィア
寓話・大悪魔ベルファゴール
わが祖国の言葉についての談話もしくは対話
遊び仲間の規約
懺悔の勧め
フィレンツェ人士の性状
断想
『ヴァンダル人の王ゲイセリクスによるアフリカ征討の書』
叙事詩・イタリア十年史〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
8
メディチ家に取り入って政治に復帰するということが望み薄になってきたニッコロは文筆で名声と収入を得ようとしたらしい。戯曲『マンドラーゴラ』が大当たりして彼は「書記官」ではなく「詩人」として知られるようになる。観客を笑わすというおよそ政治とはかけ離れた事業であるが、彼の恋愛喜劇にはやはり「運命の女神」が係わってる。女を得るためにあらゆる姦計を企て成功したり失敗したりするのは君主の国家に対する関係とパラレル。ティモテオ修道士に結果が手段を正当化するという自らのマキァヴェリズムを揶揄するような台詞を語らせてる。2024/01/17
viola
3
『君主論』で有名なマキャベリによる戯曲+短篇+叙事詩。風刺詩。戯曲『マンドラーゴラ』目当て。貞淑で美貌で鳴る他人の女房(ルクレツィア)をいかにして寝取るか。医師に扮し、妊娠する薬を渡す。但しこれには最初に交わる男性は、8日とたたないうちに死ぬという副作用が。もうルクレツィアって名前からして・・・・・・。戯曲『クリツィア』は同じ女性を愛してしまった父子の話で、これまた面白い。500年前のイタリアでこんなに面白い戯曲があったとは!どことなくモームっぽい仕上がりで、非常に好みです。訳も感動的なほど読みやすい。2012/08/19
kokekko
0
マキァヴェッリの著作の中でもマイナーな戯曲・叙事詩作品を収録。涙が出るほど読みやすい全訳シリーズ。重版して欲しいと心から思います。2010/04/04