内容説明
存在の極限に紡がれた“詩”、哲学的小話「イジチュール」、深い謎につつまれた「賽の一振り」、さらに「エロディアード」「半獣神の午後」「アナトールの墓」など、マラルメの最重要著作を画期的な翻訳・註解によって読み開く待望の書物。
目次
ステファヌ・マラルメ詩集(挨拶;不愚の魔;あらわれ ほか)
ソネ篇(“闇が宿命の法則により…”;“けがれなく、生気にみちて、美しい今日…”;“打ち勝って逃れた美しい自死…” ほか)
拾遺詩篇(“悪霊に突き動かされた黒人女が…”;“眼覚めにその跡は…”;“夫人よ、溢れすぎる熱情なくて然も思いに燃え…” ほか)
『エロディアード』をめぐる試み
イジチュール
アナトールの墓
概念との結婚
賽の一振り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜井夕也
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本文は読んだ。が、300頁の本文を読むのに700頁の注解は仕事と生活に追われている身としては多すぎると思って読まなかった。注解は時間のある研究者向けなのだろう。時間ができればいずれ。2014/03/05
wanted-wombat
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手元に置いてじっくり眺めたい一冊。 いずれ、いずれ原著に……2013/01/04
路雨
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「要するに、偶然が賭けられている行為にあっては、常に偶然が、みずからを確認するにせよ否定するにせよ、みずからの観念を完成する。その実在を前にしては、否定も肯定も挫折することになる。それは不条理を含んでおり──それ[不条理]を内包しているのだが、しかし潜在的な形においてであり、それが実在に到ることを妨げている。そのために、無限が存在することが可能になっている。」『イジチュール』2025/07/03