出版社内容情報
1974年の講演「〈戦後〉経済の思想的批判」から2003年まで、バブル期、その崩壊等、経済を中心に時代の〈現在〉を真摯に考え抜いた結実が現れた講演集。
内容説明
“現在”をどう生きるのか。経済を中心に、時代、時代の“現在”を真摯に考えぬいた結実。
目次
1(“戦後”経済の思想的批判;時代はどう変わろうとしているのか;現代を読むPART2;日本経済を考える;高次産業社会の構図;近代国家の枠を超える力―米問題と核査察から考える)
2(「現在」ということ;現在をどう生きるか;現在と言う時代=状況論―消費資本経済社会と労働組合の当為)
3(休暇が取れない日本;日本社会の現在)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
18
中流意識。懐かしいが、市民社会の真ん中(生活、文化水準)にいると自覚する人が100%なら市民社会の窮極のイメージ。このコア層が動き方・考え方・生活の仕方が社会を動かすことになる(43頁、1986年7月12日)。この時代は格差社会よりも経済的に安定していた心理を垣間見る。 脇を緩めれば脱不況という(68頁、’93年)。今はインフレ下での脱不況が課題だが、非正規4割で一生派遣、一生バイトという未来が見えた以上、いつまでも脱不況はムリと想定しておきたい。2015/06/27
amanon
2
内容的に先に読んだ『農業の〜』とかなり被っているな…というのが第一印象。それからタイトルからして、マルクスへの言及が多いかと思ったのだけれど、それ程多くなかった。何せその大半が三十年程前の講演なので、昨今の事情と合わなかったり、氏の予想が大きく外れている意見も散見されるが、それでも氏がどれだけその時の情況に真摯に対峙していたかが窺い知れる。また、前巻と同じく、社共の旧左翼に対して強く駄目出ししているのが印象的。とりわけ消費税反対をあっさり切り捨てているのが痛快。共産党が未だにこれを掲げているのは何だかな…2019/03/23
クリフトン
1
つくば万博の立体映像や臨死体験や宗教家による神秘体験をあげて水平視線と垂直視線の同時行使した状態を究極映像だと吉本氏はいう ヒューマニズムは水平視線で垂直視線はそれを相対化する 人工的設計的に自分を見ている自分 メタ議論だと分断になるがこれはまず自分がありそこから拡張された視線のようだ また週休3日が労働の究極 半分を超えた選択消費が消費資本主義の段階に入ることも独特で明快だ ただ失業倒産ゼロが究極としてもその中での入れ替わりをどう考えていたのだろう硬直な無変化が究極状態とは考えにくい 2015/05/30