内容説明
20世紀最大の知性の輝かしい精神の軌跡を斬新なテーマ別に編集、すべて新訳で集成。永遠に斬新なデカルト論から神秘主義、身体論へ―精神の極限を照射する“哲学”論考。デカルト、パスカル、ヴォルテール、さらにカントやニーチェについての思考を集成、スヴェーデンボリなどの神秘主義をめぐる論考や身体論をも収める。
目次
第1部 ヴァレリーと“哲学者”たち(デカルト断章;オランダからの帰り道;デカルト ほか)
第2部 神秘主義(スヴェーデンボリ;霊的讃歌;『ユリイカ』について ほか)
第3部 身体論(外科学会での演説;身体についての素朴な考察;『カイエ』より(抜粋))
感想・レビュー
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内島菫
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身体についてヴァレリーは、①「私たちが各瞬間に自らに見いだしている特権的な対象」②「他者によって見られている私たちの身体」③「部分的に分かつことによってしか知り得ない」身体、つまり「私たちの思考の中でしかその統一性を持たない」身体に続き、「第四の身体」である「錯綜体」という概念を差し出す。「錯綜体」は「現実の身体と呼んでもいいし、まったく同時に想像の身体と呼んでもいい」ものであり、「おまえの精神は、自分ではそれと認めないままに、何らかの「非存在」を仮定しているのであって、そうすることで初めて、2021/09/26