出版社内容情報
「放射能」の命名者にして、二度のノーベル賞受賞に輝く女性科学者。あくなき探究心と闘志で科学界のみならず世界に影響を与えた生涯を描く。解説 長谷川眞理子
内容説明
科学者として、他国の支配に苦しむ人として、女性として、母として、常にまっすぐ前を見ていた人。
目次
第1章 ポーランドの少女、マリア・スクウォドフスカ
第2章 学問の都、パリへ
第3章 貧しくとも充実した生活と「青い光」
第4章 渦巻く誹謗中傷と、世界で高まる評価
第5章 戦火の下の第二の祖国
第6章 放射能研究の第一人者として
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコタ
15
キュリー夫人についての評伝。評伝というのは評論と伝記らしい。高校生くらいの若者向けに書かれているので簡単でわかりやすい。ポーランドで生まれたのにロシア風の教育を押し付けられた子どもの頃。学問のために渡ったパリ。第1次大戦のときはレントゲン車を自ら運転し兵士の治療にあたる。女性として世界で初めてノーベル賞を受賞、世界で初めて二度目のノーベル賞を受賞。夫婦で研究に身を捧げた。2017/03/09
有理数
14
キュリー夫人の評伝。中学生・高校生向けのシリーズなので文字が大きく言葉も平易で、読みやすかったし、内容も面白かった。キュリー夫人が偉大であることは知っていたが、評伝を読むと、なんとなく知っている功績以上のものをたくさん遺し、あるいは突破し、やりおおせたひとだということがわかった。めちゃくちゃすごい。当時の世界情勢、戦争への道、科学・教育の問題、そして故郷・ポーランドの問題など、そのどれもが分かりやすく描かれてあり、また、キュリー夫人の手紙なども引用してあって、人生とその人となりを知ることができた。2020/08/04
timeturner
5
天才というのは、単に頭がいいだけでなく、旺盛な探究心と粘り強く継続する力を併せもってこそなのだなと再認識した。例の椅子のエピソードがなくなっていたのにはがっかり。今の若者には理解できないだろうという配慮からなのかな。確かにネットで検索すると「椅子を背負って勉強した」なんて形に変形している例もあった。それじゃただの変人だよ(^^;)。2016/02/21
プチ プランス
3
子供のころからキュリー夫人が好きで、久しぶりに伝記を読んでみた。このシリーズは以前に、やなせたかしさんのものを読んだことがあり面白かったので。学生さん向けのシリーズかもしれないけど、大人も楽しめます。科学者的な側面よりも、女性としての生き方や人間性に興味が有り、とても好きです。偉人としての印象が強いですが…するつもりのなかった恋をしたリ、金銭的な困窮を何とか潜り抜けたり、波乱万丈な人生。ポーランド人としての誇りや、第二の祖国フランスへの思い、家族への愛情など、人間らしさにもあふれていた人だと思います。2016/11/03
mick
3
マリ・キュリーについて短時間で知ることができる一冊。単なる業績への賛辞ではなく、女性科学者への風当たり、戦争中における科学者としての行動など、、また違う角度から考えることができる。いまだに女性のノーベル賞受賞者、少ないのが何とも言えない気持ちになる。2016/01/27