内容説明
「獅子舞考」(『郷土研究』)から、翰長辞職を経て、国際連盟委任統治委員会委員としての報告等まで。「産業組合対社会」(『産業組合』),「南遊詠草」(『台湾日日』)、「炭焼長者譚」(『大阪朝日』)など。大正5年~大正10年までの作品・論考。
目次
獅子舞考
甲賀三郎
諸国の片葉の蘆
大礼の後
神社と宗教
所謂記念事業
旧式の新著
耳塚の由来に就て
蛙の居らぬ池
編者申す〔鹿島増蔵「家筋と作物禁忌」に〕〔ほか〕
感想・レビュー
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てれまこし
11
「神道私見」とその関連記事を再読。当今の神道家が唱える神道は国民の神道とは別物という挑発的命題で始まる。一方では平田派・国学院派の神道観を批判してるが、他方では東大宗教学も批判されてる。当然神社界からも宗教学界からも大きな反発があった。もう少し後なら、柳田の神道観は下手すれば弾圧を受けかねない、実に際どいものだった。神学や宗教学的な立場に対する民俗学からの異議申し立てと言えるが、この時期はまだ「民俗学」は確立していない。今風にいうと人類学的アプローチ。こうあるべきから出発しないで、こうあることから始める。2021/12/19