内容説明
旧全集の刊行から二十年。新たに発見された創作や映画台本の生原稿二七〇枚をはじめ、未発掘だった少女小説三十三編を網羅した待望の決定版全集。尾崎翠とその文学の知られざる全貌が明らかになる。
目次
琉璃玉の耳輪
映画漫想1~6
モレラ(翻訳エドガア・アラン・ポオ作)
「牛肉と馬鈴箸」の読後
素木しづ子氏に就いて
岸上氏の歌
佐伯新一郎氏の歌
異性間の友情について
「蒼馬を見たり」評
「悪魔」寸感〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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『少女世界』に掲載された少女小説32篇が収録されていて凄い。発掘者が解説(「尾崎翠と少女小説」)に「これまで創作的にはほとんど空白期であると思われてきた(中略)実態がかなりの程度明らかにされた」と記しているとおりの一群。後期二〇篇について「題材や構想、プロット、文体等においてより多様な試みがなされ」中には後年の主な作品のモチーフの萌芽がみられるものもあり「尾崎翠の表現世界の成り立ちを知る上でも見逃せないものがある」と語っている。自分はコミカルな「三人の落としもの」清廉な印象の「アベマリア」が良かった。2018/10/15




