感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
丸和 華
3
宮沢賢治さんの草稿を出来るだけ忠実に再現した短編集。旧仮名遣い多用。ついつい襟を正して文字を追う私がいました▽宮沢賢治さんらしい「生と死」「出会いと別れ」「愛と残虐性と」が想像しやすいファンタジーの中でえがかれていきます。風の又三郎、こんなに自分語りをしたがる子だったっけ。人の話を全く聞こうとしない彼の姿に苦笑いすると共に、己を見ているようでゾクッとしました。『二十六夜』では悪因悪果について、『黄いろのトマト』では「ものさしの違い」について。物語を味わいながら受け取ったメッセージが多数。活かしていきたい。2021/12/06