出版社内容情報
人類の登場とともに出現した雑草は、実はとても弱い生物だ。その弱さを克服するためにとった柔軟で力強い生存戦略を紹介する。
内容説明
「抜いても抜いても生えてくる、粘り強くてしぶとい」というイメージのある雑草だが、実はとても弱い植物だ。それゆえに生き残りをかけた驚くべき戦略をもっている。厳しい自然界を生きていくそのたくましさの秘密を紹介する。
目次
第1章 雑草とは何か?
第2章 雑草は強くない
第3章 播いても芽が出ない(雑草の発芽戦略)
第4章 雑草は変化する(雑草の変異)
第5章 雑草の花の秘密(雑草の生殖生理)
第6章 タネの旅立ち(雑草の繁殖戦略)
第7章 雑草を防除する方法
第8章 理想的な雑草?
第9章 本当の雑草魂
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する著述や講演を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
126
著者の雑草に関する本はこれを含めて何冊か読んだ。雑草という無駄で面倒な植物というイメージは読んでいなかった特より自分自身かなり見方が変わったと思う。散歩や街を歩いているとき必ずある雑草の名前を知ったり調べたり。雑草それぞれの特徴や形態はこの本以外の図鑑や別の著書で調べたほうがいいと感じる。雑草という草はなし・・・・どんなつまらなさそうに見えるものでも必ず名前がある、命がある。図書館本2019/06/24
なかしー
79
読んでいて、このネットスラングを使わずにはいられませんでした。それは「草生える」 知らなかった事実:そこら中に生える奴らは森から追放されたアダムとイブ。 そして、かれらは弱者であるが為に頭を使い、環境変化に対して自らを変化させたり、侵略者である人間達との共存することで自らの種としての繁栄を図る。 「何度でも甦るのさ」と言わんばかりの繁殖力の理由。 「世界に一つだけの雑草」歌詞通りもともと特別なオンリーワン主義。などサイエンス本でありなが社会の中で苦しむ人への生きる指南書としての側面も持つ異端な作品。2019/10/07
コットン
75
自分イベント『貴方にとっての『変わった本』はなんですか?』のなかしーさんのおすすめ本。まず『雑草=弱い植物』という基本的な特徴がへー!でした。そして「踏まれたら、立ち上がらない」とも。動物ではカタツムリなど雌雄同体だけど植物にも同じようにキュウリは雄花と雌花が一本の茎からなるって知らなかったです〜♪2022/05/09
こも 旧柏バカ一代
71
雑草学、本当に奥が深い。畑の雑草は畑じゃないと生えてこな言ってのは確かにそうだ。草地だと小さくて負けてるよ。そして、除草剤についても書いてあり、いま問題になっているスーパー雑草についても書いてあった。最後の方で南国アイスホッケー部で自殺しようとしてる娘を説得した時と同じ下ネタでの運命論が出てくるとは・・ 雑草学、侮れんw発行年月日から南国アイスホッケー部の方が先だな。2020/04/30
ホークス
68
雑草学というジャンルを始めて知った。本当に目ウロコの話が多い。雑草は「踏まれても立ち上がる」のではなく、「踏まれたら寝ころぶ」。そして寝たままで花を咲かせ種を付ける。田んぼに生える稲そっくりの雑草は、種をパラパラ落とす。稲は種を落とさないので確実に場所を確保できる。栽培作物は発芽も開花も一斉だが、雑草はバラバラなので変化が来ても全滅しない。何だか生きるのが楽になる話がいっぱい。好きなように生きる事こそ生存戦略、と著者は言っている。寄り道はしよう。自分の感覚を信じよう。生物だからそれで良いと思えた。2019/09/27
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