内容説明
身近な植物を観察してみよう。からだの基本的なつくりや営みを知るとその巧みな改造の実際が見えてくる。植物とは何かを考える。
目次
第1章 植物らしさは、葉にある
第2章 大地に根を張って暮らす―植物が生きる条件
第3章 光合成―葉で何が起きているのか?
第4章 炭水化物工場としてのかたち
第5章 植物の成長を追う―胚軸のふしぎ
第6章 草原をつくる単子葉植物
第7章 巧みな貯蔵術
第8章 木とはなんだろう
第9章 植物たちの生存戦略
第10章 種子をつくる
第11章 花は植物の生殖器官
著者等紹介
大場秀章[オオバヒデアキ]
1943年東京生まれ。東京大学名誉教授、同大学総合研究博物館特任研究員、植物多様性・文化研究室代表。理学博士。植物分類学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
49
教科書的な網羅性と思想書的な洞察を兼ね揃える植物分類学者の近著。専門外の私にとっては、道具としての植物図鑑を使うための基礎知識を初めて得ることができて嬉しかったのだが、無味乾燥な知識の羅列に終わっていないのが良い。植物の研究は文明の起源や世界史の解明に関与するとの大きな構えを持ち、一方で疑問を投げかけながら「私にはまだ解を見いだせない」(なぜミズナラに葉枝がないかについて)と謙虚だ。これも「寡黙な植物は直接は何も話してくれない」からこそ魅力がある、と植物への愛に満ちあふれているからなのだ。2015/09/05
501
16
植物への愛情だけでなく多くの人に植物の学術的な研究内容を知ってもらおうという姿勢をひしひし感じる。その愛情は植物と生物の関係性への考察としても現れている。植物の名前に全然無頓着だった自分がここ数年町で見かけた植物を辞典をひいて名前を覚えたりし、そんな興味から手に取ったが、植物の多様性が分かる、普段目にする植物を一歩進んだ目で見たくなる本だった。2016/12/08
calaf
9
植物は、動かない事がその特徴。そして根・茎・葉に加えて花・種から成っている。その成長には水と適切な温度、そして栄養分(窒素・リン・カリウム)が必須。まぁ、分かりきっている事だけど、詳細を見ていくと微妙な部分も多いようです。それにしても、こういう分類学的な話は最近あまり読んでいなかったなぁ...とにかく、分子生物学的な話が多いので...2013/04/15
ひつじ
4
どんな動物でも植物の恩恵を受けていない生き物はいない。肉食動物ですら、植物を食べる草食動物たちの肉を食べることで間接的にその恩恵を受けている。植物の命への思いなど、文章から感じられる植物への愛が読んでいて心地よかった。中学生レベルの理科の知識があれば易々と読めるようなところもいい。ただ、今の私のうつ状態では、それでも読むのに疲れてしまったが……2020/09/23
mft
4
子葉の下に伸びている部分は茎じゃない。カブやダイコンの肥大化する部分も根ではない。「胚軸」というのだよ。…今まで聞いたことがなかった気がする(忘れただけ?)。その他ネギやニラの葉の裏表とか玉葱とニンニクの違いとか、と書くと野菜の話ばかりに見えるが、もちろんそれだけではなく、木の幹とか花実の進化の説明もある。2017/12/24
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