内容説明
日本人なら誰もが、懐かしく、心地よく感じる原風景。そこには、自然や神仏と接する、三つの時間と空間がある。失われた近代日本の土俗の風物と暮らしを、美しい文章でたどり返し、体感する。
目次
春の章
夏の章
秋の章
冬の章
著者等紹介
佐藤正英[サトウマサヒデ]
1936年長野県生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。同大学院博士課程満期退学。東京大学文学部教授、共立女子大学文芸学部教授を経て、東京大学名誉教授。専門は、倫理学、日本倫理思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Humbaba
6
たとえ物質的には豊かでないとしても,田舎の風景は心を満たしてくれる.畑からは自然の恵みが,山からは山の幸が,海からは海の幸がそれぞれ手に入る.そして,祀られた神々によって心を満たし,充足が手に入る.2010/10/30
calaf
5
「今と違ってむかしは、一日が、朝から始まるのではなく、前日の夕方から始まった」(p.135) これって本当?「むかし」がいつの事を指しているのか分かりませんが、一日のはじまりは日の出だと思っていたのですが...少なくとも江戸時代、赤穂浪士の討入りは、12月14日の夜。現在では12月15日の午前4時頃にあたるのですが、当時は日の出が一日の始まりだったからこうなっているはず。2010/09/19
mustache
1
ほんの少し前まで多くの日本人が生をおくっていた暮らし、すなわち人と自然、そして生者を見守る死者たちからなるもの神、たま神たちが、頻繁に交流しつつ過ごしていた時間を、東京大学の宗教学教授だった著者が懐かしく、美しく思い出している。2014/11/02