ちくまプリマー新書
野生動物への2つの視点―“虫の目”と“鳥の目”

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480688392
  • NDC分類 481.7
  • Cコード C0245

内容説明

いま、多くの野生動物が絶滅の危機にひんしている。守るためには、動物をじっくり観察する「虫の目」と、生物界全体のバランスを考える「鳥の目」が必要だ。「かわいそう=保護する」から一歩ふみこむための自然の見方。いきもののつながりを考える。一頭のシカから生物界全体がみえてくる。

目次

第1章 シカを一頭ずつ調べる
第2章 シカの一生を追う
第3章 生き物のつながり
第4章 絶滅を考える
第5章 野生動物の保全
第6章 野生動物学を学ぶ

著者等紹介

高槻成紀[タカツキセイキ]
1949年鳥取県生まれ。1978年東北大学大学院理学研究科修了。東京大学総合研究博物館教授などを経て、麻布大学教授。専攻は保全生態学。動物と植物の関係を研究している

南正人[ミナミマサト]
1957年京都府生まれ。1991年大阪市立大学大学院理学研究科修了。現在麻布大学講師。(株)ピッキオ代表を経て、野生動植物保全教育に取り組むNPO法人・生物多様性研究所あーすわーむ代表理事を兼任。シカの繁殖行動などを研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Rubik's

81
★★★★☆ いい感じ.2019/08/01

yamakujira

6
シカを研究するふたりの著者が分担して書くことで、観察眼の違いを見せてくれながら、異なる視点を相互に補完することで深まる考察を教えてくれる。前半の南氏による、個体識別したシカの一生を追って家系図を作り上げるというミクロな「虫の目」による研究は、一頭一頭のシカの生活史が興味深いけれど、過酷な自然に慄然ともする。後半の高槻氏は、シカを軸にしたマクロな「鳥の目」で他の生物との連関から環境問題へと思考の広がりを示唆してくれる。若者向けのレーベルらしいから、子供に読ませたいね。なんで奥付がないのかな。 (★★★☆☆)2020/05/17

guu

4
野生シカの生態から学ぶ一歩進んだ生物、自然の見方。8頭のシカの顔写真からはじまる個体別観察が思いのほか面白くて、食害で駆除されている現状を思うととても複雑な心境となりました。急速に絶滅化している野生動物。元を辿れば全てが人間の愚行によるものだけにその責任は大きい。だったらどう償い、どう阻止すべきかという難題に突き当たるのだけれど、それにはまず判断を誤らない目を養うこと。その為には動植物を深く理解することこそが重要であること、と同時に知る楽しさ素晴らしさをこの本はとても分かり易く説いてあり参考になりました。2010/09/04

Uzundk

3
ふたりの著者による鹿の群れを見る2つの異なる視点からの観察を描く。1つは虫の目。鹿の群れに寄り添うように観察をし、鹿自身に限りなく近い目線でその生態を追いかける。一部の人は顔つきからどの鹿の親族か見分けられるほどであった。もう1つは鳥の目、食物連鎖の繋がりから見た鹿の群れのある地域全体の生物の分布と勢力の均衡からみる視点で、鹿を保護することとは鹿を殺さぬ事では無く、全体としての生態系の均衡を維持することであると語る。特に表面的情緒的な情報に囚われない力が必要だとかんじる。2015/06/20

calaf

3
現在は、かわいいから、きれいだから保護するという考え方では不十分。自然保護ではなく自然保全が重要。2010/09/05

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