内容説明
遺伝子という言葉は今では誰でも知っているが、誤解も多い。そもそも遺伝子とは何か、人はなぜ死ぬのか、といった根本的な話からがんと遺伝子、性と遺伝子、進化と遺伝子、など最新の知識まで基礎からわかりやすく解説。読みごたえ十分の入門書。
目次
第1章 遺伝子とは何か(メンデルの考えたこと;DNAの発見;遺伝子の機能;遺伝子の制御)
第2章 遺伝子と老化・病気(人はなぜ死ぬのか;がんと遺伝子;遺伝病は治らないのか;病気の進化と遺伝子)
第3章 遺伝子と発生(前成説とホムンクルス;遺伝子は体の設計図なのか;エピジェネティクスとは何か;性と遺伝子)
第4章 遺伝子と進化(遺伝子はいつ生まれたか;進化と遺伝子の突然変異;獲得形質は遺伝する;進化のしくみと遺伝子)
著者等紹介
池田清彦[イケダキヨヒコ]
1947年東京生まれ。東京教育大学理学部卒業、東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。山梨大学教育人間科学部教授を経て、早稲田大学国際教養学部教授。専門は理論生物学、構造主義生物学。構造主義生物学の地平から多分野にわたって評論活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かりんとー
7
細胞には自殺遺伝子が備わっている。 細胞分裂を繰り返すと 最後には自殺遺伝子が発動して 死に至る。 しかし 唯一自殺遺伝子を持っていない 細胞がある。 それが がん細胞なのだ 。もし癌細胞にその自殺遺伝子を 組み込むことができるならがん細胞の 無限増殖を 食い止めることができるかもしれない。もしできたならば がん治療は 根底から変わるだろう。2018/09/21
あさって
4
DNAからタンパク質発現までの言葉での説明はとても分かりやすかったと思います。図説が少なかったので少し高校生物の知識がないと読みにくい印象がありました。エピシェネティク変化(細胞内の文脈的変化。ミトコンドリアの共生説とか)とネオダーウィニズム(突然変異の蓄積)この辺あたりの生物進化の話はあまり私に知識がなくて混乱しました。2013/10/11
寝落ち6段
1
遺伝子とDNAの違い。今までいろいろと誤解していたことがあった。冒頭から正直言って難しかったが、中盤以降、だんだんとわかってきた。まだまだ完璧には理解できてはいない。それにしても、どうしてこんなものが誕生したんだろうか。このロマンがある限り、科学は面白い。2013/03/25
Pikatyuagarden
0
・遺伝子は体を作る道具だが、設計図ではないのだ。 ・DNAメチル化、遺伝子が発現しない。 ・ファイロティピック段階 ・生物をバラバラの部品に解体することは簡単だが、それを組み立てて生きた生物に戻した者はいない。2016/01/20
普遍性
0
自分が生物に興味を持ったきっかけとも言える本。色々な知識がわかりやすく解説されていて、生物の入門にうってつけ。2011/03/24