ちくまプリマー新書
木のことば森のことば

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  • サイズ 新書判/ページ数 155p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480687210
  • NDC分類 650
  • Cコード C0295

内容説明

息をのむような美しさと、怪異ともいうべき荒々しさをあわせ持つ森の世界。耳をすますと、木や生き物が発する生命の息吹が聞こえてくる。さあ、静かなドラマに満ちた自然の中へ。

目次

木のことば
生存運
森のうた
八ヶ岳山麓の森で
雪の森で
山の風
森の怪異
大きな木に会う
縄文杉の下で
木の音・森の音
生と死のかたち
木を植えた人
木を植えた人びと・1
木を植えた人びと・2
森の生活者・1
森の生活者・2
草木と子供

著者等紹介

高田宏[タカダヒロシ]
1932年京都市に生まれ、石川県江沼郡大聖寺町(現・加賀市)で育った。京都大学文学部卒。光文社、アジア経済研究所、エッソ石油で諸雑誌を編集。84年より文筆専業。78年『言葉の海へ』(新潮社)で大佛次郎賞と亀井勝一郎賞を、90年『木に会う』(新潮社)で読売文学賞を受ける。95年、雪国文化賞を、96年、旅の文化賞を受賞。深田久弥・山の文化館館長、石川県九谷焼美術館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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(C17H26O4)

100
子供の頃、親に連れられて時々山歩きをしていたからだと思う。森が好き。木が好き。読むにつれて森のにおいや木々の立てる音、鳥たちのさえずりがあたりに満ちてくる。腐葉土のやわらかな感触も足元にありありと感じる。今の季節なら、赤や黄に色づいた葉が静かに降りしきっているところもあるだろう。著者自身の詩や他の作家の作品を引用しながら、森や木々の営みについて柔らかに語られていた。森に包まれ木々に囲まれて、フィトンチッドを浴びたような穏やかな気持ちになった。2019/11/26

モリー

59
20代の頃は、理想の生き方を模索し続けていましたが、人生の折り返し地点を過ぎた頃から、私は理想の死に方ということについても思いを巡らせるようになりました。本書の中で紹介されている小説『ノアの住む国』に登場するお婆さんの最期のように、私も“どんぐり”を手に握りしめた状態で埋葬されたい。森の中で生きた、鴨長明やソロー、木を植えた人(これは架空の話ですが)をはじめ、森を再生させた人々の実話や、タゴールの残した木に関する言葉にも感銘を受けました。一番印象に残った言葉はアンリ・ファーブルが『植物記』という本⇒続く2019/10/27

びぃごろ

10
森で生活をすることにより、簡素で自由な日々を手に入れる。木や森がいかに大切なものかー八ヶ岳の山荘で怪異を覚え、樹齢1000年以上の大木に神性を感じ、延命のためにうろにツメモノをされた大トチを哀れみ「生きものの生と死は、木であれ人間であれ、大地に還るつつましいものであろう」と自然死を願う。森に同調し、感謝の念をもってやまない筆者のこころは『森の思想』を持つ。2018/02/02

リョウ

8
何百年、何千年と生きる木、そして木が死んでも新たな木によって行き続ける森に接することによって、短期間でしか物事を見ることができない人間社会において違った見方もできるようになるのではないか。そんなことを感じさせる一冊。2018/02/16

パッチ

7
書名の通り、木のことば、森のことばを聴いて綴られているような、美しいエッセイ。決して装飾的な美しさではない、自らの思想をいたってストレートに、選び抜かれた言葉で語っていて、胸に浸透するように伝わってくる。著者は、森に分け入り、木の声を聴く。木が吸い上げる水の音、細枝の先の水玉の放つ光の矢、巨木のしっとりとした美しい樹皮、鳥の鳴く声、虫の飛ぶ音、リスなどの動物の歩く音、そういったいろいろな多様なものが集まってくる環境が森の魅力であり、それを見事なまでに表現してしまう著者の力量は圧巻とさえ言える。2012/07/16

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