出版社内容情報
自分で決められる⇔責任を負わされる
ひとりを尊重する⇔孤独・孤立に陥る
やりたいことをやる⇔思わぬ非難を受ける
自分で決めたはずなのに息が詰まるのはなぜか。
自分のことは、自分で決める――。
本来善しとされるはずなのに、どこか疲れるのはなぜ?
そもそも自分で決めるってそんなによいものなのか。
他人の決めたことにはどこまで踏み込んでよいのか。
「自己決定」をめぐるこの社会の自縄自縛をときほぐす。
【目次】
第一章 自分で決めることに息苦しさを感じてしまう
……個人化が進む一方で責任を求められる社会
第二章 決定に対する責任の所在
……集団と個人の決定をめぐる責任の論理
第三章 決定を回避する私たち
……選ばずに済ませるためのエビデンスと合理性
第四章 自分で決めたことに追いかけられる私たち
……こうありたいと望んだ「自分らしさ」に囚われる
第五章 決めたことへの介入は「余計なお世話」?
……一人になる決定を尊重するか、孤独・孤立を問題視するか
第六章 緩やかに決められる社会へ
……決められない・誤ってしまう「弱さ」を受け入れるには
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
12
理性など西洋哲学に疑念を持っていることから、発売日すぐに手に取った。自分で決めるという自由は一見良さそうに感じるが、責任を負う・孤独に陥ることなどマイナス面も大きい。例えば、孤独は肥満・運動不足より死亡するリスクが高まることが研究で判明している。なぜこのようになったのか。読んでいて感じたことは、ムラ社会・空気など過去から研究されていた人間関係からの脱却。物・サービスが豊かになり「今・ここ」が1人で楽しめるようになったことが影響しているのではないだろうか。コミュニケーションも体力と同様に鍛えないと衰える。2025/08/11
U-Tchallenge
1
教育現場では子どもたちが自己決定できることは限られている。それを少しでも広げ子どもたちの自己決定の場を大切にしたい、と思っている。しかし、自己決定させると子どもたちに責任を負わせているように思っていた。自己決定≒自己責任のようになっていた。そんな自己決定について考えたく手に取った。自己決定にまつわるあれこれをわかりやすく書かれている内容であった。自己決定は大切にしつつ、自己決定への考えを変えていくことが必要のように思った。丁寧に再読したいと思う。2025/08/20
かるー
1
読みやすくて、そして、面白かった。自己決定が尊重されるのは今の社会が個人主義であるが故であって、でも、そのよくない側面にもちゃんと目を向ける必要があることがよくわかった。そして、やっぱり人と人とのつながりが結論にきているのも納得。2025/08/13