出版社内容情報
調査は聞くこと、分析は考えること、理論は表現すること。この社会のことをみんなで考えてなんとかしたい人のための、三つの基礎が身につく入門書。
内容説明
社会学は、みんなにとって大事なことについて、しっかりしたデータにもとづいて考え、それを表現する営みです。この社会の複雑な問題をなんとかしたいと思ったら、社会学があなたの力になります。
目次
第1章 世界は意味に満ちあふれている―やっかいな問題としての社会
第2章 社会学って何だ?―みんなで規範の物語を作るいとなみ
第3章 聞くことこそが社会学さ―対話的な社会認識としての調査
第4章 社会学は泥臭い分析技法を手放さない―圧縮して考える
第5章 なんのための理論?―表現の技法としての理論と物語
第6章 みんなソシオロジストになればいいのに―人びとの共同のいとなみとしての社会学
著者等紹介
宮内泰介[ミヤウチタイスケ]
1961年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。北海道大学大学院文学研究院教授。専門は環境社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
25
社会の複雑な問題をなんとかしたいと思った時に力になってくれる社会学。しっかりしたデータにもとづいて考え、それを表現する方法をわかりやすく解説した1冊。社会学をはじめるための「調査は聞くこと」「分析は考えること」「理論は表現すること」という3つの基礎を紹介しながら、複雑でやっかい問題としての社会のこと、社会学とはどういう学問なのか、対話的な社会認識としての調査、同時並行させる泥臭い調査技法と分析・数値化や圧縮、言葉で表現するということや、人々の共同の営みとしての社会学がとてもわかりやすく紹介されていました。2024/07/23
武井 康則
12
社会学は何を対象としているのか、研究方法はフィールとワークが中心。どんな理論があったかなど、ごく簡単に入門書として書かれている。そのまま大学一回生の教科書として使えそうな内容。すべてに目を通している分、個別の内容に立ち入らず、すべてはこの本から出発しようという立ち位置。プリマー新書というコンセプトに忠実だが、副題は疑問。やや誇大広告では。複雑な社会を叙述する技法とすべきでは。2024/06/22
いとう
5
社会学で創発される理論とは、自然科学のような普遍、真理ではなく、現象の正しさを証明するようなものや公理でもない。社会学における理論とは、対話や問題提起的なものであり、これによってみんなが利用でき、議論を続けることができる。社会的な問題を解決するために「●●協議会」のようなものが組織されるが、ステークホルダーを社会の縮図、単純化してしまうことで社会性は失われてしまい、そこに社会と離れた決定がなされてしまう。2024/08/26
nnnともろー
4
やっかいな社会。「対話」が大切。お互いの「意味の世界」のぶつかり合い。2024/08/23
ちくわ
3
社会学の入門書としてはかなりわかりやすいものと感じる。社会学とは何かといわれると、専門でない人間からすると中々言語化できないところがあるが、本書を読んでいると、社会における意味のつらなりを見つけていく、そのための手法としては対話がカギとなる、という社会学の要点が平易に記載されていることから、非常にわかりやすく読めた。2024/06/23