出版社内容情報
「将来の夢」「やりたいこと」を聞かれたとき、なんとなくやり過ごしていませんか? 自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すための道標がここにある
内容説明
「将来の夢」や「本当にやりたいこと」を聞かれたとき、それっぽい答えを言ってやり過ごしたことはないですか?自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すためにスマホを置いて一歩を踏み出そう。
目次
序章 なぜ衝動は幽霊に似ているのか
第1章 衝動は何ではないか
第2章 衝動とは結局何ものなのか
第3章 どうすれば衝動が見つかるのか
第4章 どのようにして衝動を生活に実装するのか
第5章 衝動にとって計画性とは何か
第6章 どうすれば衝動が自己に取り憑くのか
終章 衝動のプラグマティズム、あるいは実験の楽しみ
著者等紹介
谷川嘉浩[タニガワヨシヒロ]
1990年生まれ。哲学者。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。哲学者ではあるが、活動は哲学に限らない。デザインの実技指導に携わるだけでなく、メディア論や社会学といった他分野の研究や、ビジネスとの協働も度々行ってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゼロ
96
著者が「衝動」という言葉を用いて、学生が抱く「夢」や「将来」について考え直せ!というメッセージがあるように思えた。衝動は、ウチから沸き起こる持続的な意欲であり、モチベーションとは違う。偏愛は、具体的な活動を出口として見つけた衝動のこと。衝動には、強い欲望と深い欲望がある。安易な理解で、それっぽい答えを見つけ出すのは危険である。表題がレールを外れる…と付いているから、大学行って、就職して、結婚することが、本当の幸せなの?あなたは、あなたなりの幸せ=社会で成功するではない幸福を見つけるべきでは?と訴えていた。2024/10/28
はっせー
63
先に言う。今年のベスト9にノミネートされるほど面白かった!なんだろう。読んでいてワクワクできる哲学系の話は本当に珍しい。そのぐらい良かった!著者の谷川さんは『スマホ時代の哲学』を書かれた哲学者。そんな谷川さんが書かれたテーマが衝動。衝動とは私たちの内側出てくるもの。そして幽霊のように私たちに取り憑いて行動させるものとしている。うんうん。そんな衝動に取り憑かれることによって人生のレールを外れることができると。自己啓発本とは違う理論と文体があり本当に楽しめた!2024/04/16
よしたけ
55
自己啓発本かと思いきや哲学書。人が如何にして衝動に駆られ、新たなことにチャレンジするようになるのかを哲学的に考察。衝動は内から湧き起こり持続する欲望→自分でも完全にはコントロールしきれず、自分を突き動かすこともある→自分でも驚くような行動を取らせるのは、個人性の偏り=この欲望を「偏愛」と呼ぶ。と言ったロジックが繰り広げられ、感受性や感性には好奇心に素直にちょっと行動すると世界の側から予期せぬ何かが返ってくる、と考察。まずは衝動が何かを探りつつ、好奇心には素直に反応し続けると、新たな世界が見えてくるのかも2024/09/07
いっち
42
「人生のレールを外れる衝動」を、「誰かに強制されたわけでもないのに、自分を何かに夢中にさせる衝動のこと」と著者は言う。漫画『チ。』の主人公が、キャリアを捨て、命を懸けて地動説の研究を進めたことを、衝動と見なす。「やりたかったから」「好きだったから」には留まらない衝動の見つけ方。自分の偏愛をきっかけに、偏愛してる活動を解きほぐし、衝動が進む方法を見つける。気になることはやってみる。その中に何かあるかもしれない。残念だったのは、著者がレールを外れてないように見えること。京大博士課程修了で大学講師はレールの上。2024/10/14
りょうみや
37
世間の価値観に沿った合理的な行動ばかりではつまらない。自分独自の偏愛の延長上にある衝動を大事にした生き方の勧め。ここでの衝動は好奇心に置き換えても問題ないと思えた。哲学をベースにして例として漫画の話も多用していたり章ごとにまとめがあって読みやすい。著者がデューイの専門家なので特に多く引用されているのがデューイ好きとしてはよかった。「実験的に試行錯誤するという計画性」というプラグマティズムの言い換えがまとめの一言。自分の衝動を見つけるためにはネットやスマホから距離を取る時間を取って自己と対話することかな。2024/05/22