出版社内容情報
「将来の夢」「やりたいこと」を聞かれたとき、なんとなくやり過ごしていませんか? 自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すための道標がここにある
内容説明
「将来の夢」や「本当にやりたいこと」を聞かれたとき、それっぽい答えを言ってやり過ごしたことはないですか?自分を忘れるほど夢中になれる「なにか」を探すためにスマホを置いて一歩を踏み出そう。
目次
序章 なぜ衝動は幽霊に似ているのか
第1章 衝動は何ではないか
第2章 衝動とは結局何ものなのか
第3章 どうすれば衝動が見つかるのか
第4章 どのようにして衝動を生活に実装するのか
第5章 衝動にとって計画性とは何か
第6章 どうすれば衝動が自己に取り憑くのか
終章 衝動のプラグマティズム、あるいは実験の楽しみ
著者等紹介
谷川嘉浩[タニガワヨシヒロ]
1990年生まれ。哲学者。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師。哲学者ではあるが、活動は哲学に限らない。デザインの実技指導に携わるだけでなく、メディア論や社会学といった他分野の研究や、ビジネスとの協働も度々行ってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
58
先に言う。今年のベスト9にノミネートされるほど面白かった!なんだろう。読んでいてワクワクできる哲学系の話は本当に珍しい。そのぐらい良かった!著者の谷川さんは『スマホ時代の哲学』を書かれた哲学者。そんな谷川さんが書かれたテーマが衝動。衝動とは私たちの内側出てくるもの。そして幽霊のように私たちに取り憑いて行動させるものとしている。うんうん。そんな衝動に取り憑かれることによって人生のレールを外れることができると。自己啓発本とは違う理論と文体があり本当に楽しめた!2024/04/16
takka@乱読
16
最近趣味について考えることが多く、その参考になるかなと思い購入。「本当にやりたいこと」「将来の夢」などは周りからの期待や圧力など外在的アプローチが多く、そういうものは働きたくなくなることと同じように続かない。では、ずっと続けてこれた趣味や活動にはなにがあるのか、この本ではその情熱を「衝動」と呼ぶ。衝動的に行動するという意味ではなく、状況を気にせず非合理に行動することを指す。たしかに「〜のために始めたこと」より「無意識に続けている」ことの方が長続きする。その衝動から自分を変化させることを学ぶための本。2024/04/12
ちくわ
4
面白く読めた。昨今はキャリアプランニングという言葉があるように、ありたい自身からバックキャストして生き方を決めていくことが流行っているように思うが、そこへの警鐘がならされている。衝動というと、どうしても行き当たりばったりの生き方を想像するかもしれない。実際、外圧的な「強い」衝動に身を任せることはそうなってしまう可能性もある。しかしながら、自分の中の「深い」衝動をしっかりと捉え、そこに知性を合わせて、「目的」と「計画」を導く生き方はこれまでの経験からも腹落ちするするところがある。「感受性」がカギとなる。2024/04/14
読書熊
3
人生が変わっていくことに付き合うための哲学2024/04/28
バーニング
2
朝永ミルチ名義の頃から名前は存じていたが本を読むのは今回が初めて。タイトルは自己啓発っぽいけどプラグマティズムを専門とする著者らしく、アンチ自己啓発の態度が一貫しているのも気持ちいい(とは言え適宜自己啓発本を応用しているのも上手い)。漫画や小説、アニメなど様々なコンテンツやビジネス、エッセイ、哲学、批評なそ様々なジャンルの本を縦横無尽に探索しながら「衝動」とは何か、そしていかにして「衝動」を自分の人生で発見し、接続するかを考察。後半にかけてじわじわドライブしてゆく文章も非常にエキサイティングで楽しかった。2024/04/25