出版社内容情報
知識は身につくものではない!? 実は能力を測ることは困難だ!? 「学び」の本当の過程を明らかにして、教育現場によってつくられた学習のイメージを一新する。
内容説明
教育現場ではこれまでのイメージから、間違った学習観が広まっている。その弊害をなくすために、認知科学の視点から「学び」の実態を科学的に明らかにする。
目次
第1章 能力という虚構
第2章 知識は構築される
第3章 上達する―練習による認知的変化
第4章 育つ―発達による認知的変化
第5章 ひらめく―洞察による認知的変化
第6章 教育をどう考えるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
81
学ぶことに関心のある方は、手に取って、とても意味があると思う。ここ数年の流行りでもあるが、気づきと学びという二つの言葉がある。この違いとも関連するのではないかと思う。リアルとバーチャールの違い、知識と知恵の違いも考えながら読み進めた。教えると見させるの違いでもある。自分自身の考え方として、広く、いろいろなものを知ることに、大きな意義を感じているので、背中を押された気分だ。2022/09/07
榊原 香織
73
最初は、プリマーにしては難しすぎる、けど最後はかなりくだけてきていた。 ひらめきの身体性、て言うのは面白いね。 腕を大きく振り回しながら考えるグループと小さく回しながらのグループだと、前者の方がひらめきが大きいのが実験ではっきり2022/10/17
禿童子
32
学習や発達とはあえて言わず、認知科学の視点から見た「認知的変化」として、従来の教育分野での段階的発達という「常識」を覆す見解を述べている。「創発」についての説明は興味深いので、認知科学の他の本にも当ってみたい。ただし、著者の断定的な口調や文科省の行政への批判がきついのが、本書の説得力をむしろ落としているような気がする。2025/03/26
morinokazedayori
31
★★★★★知識の獲得、上達、発達、ひらめきのメカニズムやプロセスが語られ、教育や教師の役割について論じられている。人が成長する仕組みに興味があったため、こういうことだったのかとたくさんの発見があった。が、まだ「身体化」されるほどには「認知の変化」が起こっていない。再読し、他の角度からも理解を深めたい。2022/08/11
りょうみや
30
知識の構築、上達、発達、ひらめきなどの一見距離を感じる概念を創発という観点から関連して語っている。ちくまプリマー新書らしく分かりやすくそれでいて深い内容。関連図書の解説が豊富で読みたいと思える本が一気に増えた。2022/07/28