出版社内容情報
恋愛における変なルール、個性を押さえつける校則、家族は仲が良くないといけない…。性の多様性を考えることで、「当たり前」から自由になれる。
内容説明
恋愛における変なルール、個性を尊重するわりには、厳しい校則、どこからどこまでが友達なの?性の多様性について考えることで、私たちを取り巻く「当たり前」から自由になれる。
目次
第1章 友達にはわかってほしい(身近な人ほど言えないこと;小さなウソでも気づけば大きなウソに ほか)
第2章 それって個性なの?(個性は結構難しい;ルールが正しいとは限らない ほか)
第3章 恋愛、それはややこしい(愛については語ってくれない;モテすぎて困る人 ほか)
第4章 家族の「普通」ってなんですか?(家族がサメより危険な理由;学校にいくのは義務ではなく権利 ほか)
著者等紹介
遠藤まめた[エンドウマメタ]
1987年、埼玉県生まれの横浜市育ち。トランスジェンダー当事者としての自らの体験をきっかけに、十代後半よりLGBT(セクシュアル・マイノリティ)の子ども・若者支援に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
89
アウティングはいけない。想像以上に悩む要素がたくさんあることを知った。言われてみれば確かにそうだと思う。先生から学校図書館にLGBT関連の本を入れてほしいと要望があったので、気になり読んでみた。学校の先生も理解してほしい。道徳などで使えそうだと思った。2022/07/19
おたま
52
書名に「LGBT」とあるために、LGBTについて詳しく書かれた本かと思ってしまうが、むしろ「みんな自分らしくいる」ことの方に力点は置かれている。LGBTを契機としてみんなが自分らしくいるためにどうしたらいいのかを具体的に述べている。だから誰が読んでも何かしらホッとするところがある。特に前半の「友達にはわかってほしい」「それって個性なの?」の二章が面白い。「普通」という傾斜をもった場に私たちは立たされている。そして、多くの人、マジョリティーが傾斜した場にいながら自分たちこそが正しい位置にいると思っている。2024/07/30
香菜子(かなこ・Kanako)
27
みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT。遠藤 まめた先生の著書。どんな個性も尊重されるべきだしどんな恋愛をしても自由。それは当然のこと。個性や恋愛を上から目線でコントロールしたり禁止したり批判したりする資格なんて誰にもない。LGBTという言葉そのものがなくなってはじめてLGBTが正しく理解されて浸透したと言えるはず。いまはLGBTという言葉が使われることも多いけれどきっといつかLGBTという言葉は死語になる。2022/08/04
venturingbeyond
25
啓発や当事者の交流の場づくりなど、広く活動されている著者が、プリマー新書の想定読者である中高生向けに書きおろした一冊。「友情」・「個性」・「恋愛」・「家族」をテーマに、セクシャル・マイノリティ問題に限定されない他者との関係性をめぐる諸問題が非常に分かりやすく語られている。特定の時代・地域においての社会化の帰結として、自らの中に形づくられた常識や規範を問い直す多様な視点が示されており、こうしたテーマを考える最初の一冊としてお薦めです。2021/07/30
katoyann
25
思春期の子どもたちに向けたLGBTの入門書。大人が読んでも大変参考になる。カミングアウトすることのメリットとデメリットについて述べ、友人に打ち明ける際の注意点を分かりやすく説明している。気をつけなくてはいけないのはアウティングと差別。信頼できるかどうかは、いったん同性愛の話題を振ってみて、差別的な発言が出たり、軽々しい考えだったりして、不安が残るようだったら保留してはどうかという。 カテゴリーに分解して理解するのではなく、家族や友人など親しい関係を含め日常から根本的にセクシュアリティを問い直す姿勢が新鮮!2021/06/20