出版社内容情報
私たちの社会生活において「経済」の占める場所は大きい。そのしくみはどのようなものか。生産から消費まで、「値段」を手がかりに解き明かした経済学入門。
内容説明
私たちの社会生活において「経済」の占める割合は大きい。そのしくみはいったいどのようなものか。読み解くためのカギは「値段」にある。具体的な生活場面に即しながら、経済学の初歩をやさしく解説。
目次
プロローグ 昔はおにぎりには値段がなかった
第1章 私たちは値段を頼りに買うしかないのだろうか
第2章 経済のあれこれは値段が調整してくれる
第3章 掛かった生産費用を取り戻せるだろうか
第4章 値段が市場で瞬時に決まるしくみとは
第5章 売り切るには、戦略的に値段を決めるしかない
第6章 最後の関門、消費者の値段を見る厳しい眼
おまけの章 値段に見えない値段もある
著者等紹介
徳田賢二[トクダケンジ]
1947年生まれ。一橋大学経済学部卒業。日本長期信用銀行、専修大学を経て、開志専門職大学事業創造学部教授。専修大学名誉教授。専門分野は地域経済論、流通経済論。活きた経済の背景にあるしくみを消費者・生活者の視点から研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
75
他館図書館本。 売れないのがもっとも困る…。そうですね。廃棄処分するにもコストはかかりますし、いままでのコストも回収できませんし、値下げしたらしたで本書にもあるように消費者が「これは値打ちの無いものにちがいない」と言って余計売れなくなることも…(ホームセンターの値引き苗のように…)。そしてそれらのリスクの原因は私たち消費者にあるとのこと…。顔なじみのお店と客って消費者のためだけではないのですね。まさに三方よし!2023/02/25
まゆまゆ
14
モノは生産→出荷→市場→小売店とつながり、最後に消費者が目にするのが「値段」である。この値段を決めるにあたって、各段階においてどう考えられているかを学ぼうとする内容。生産には費用が発生することや利益を上乗せしないと生産を継続できない、ということを思い出すことができた(笑)消費者は値段を判断するときは過去の経験などから基準となる価格を持っており、それと比較して判断する。とはいえ実際に買うときはほとんど直感的に判断されていて、外部からの情報によって心理的な影響を大きく受ける、ということは知っておこう。2021/05/31
24歳男性
9
卸や小売店が何なのかいまいちよく分からない私でも経済学に入門することができた。普段目にする「値段」が、いかにして決められているのか。それは、生産者の収益が出る価格で卸が仕入れ、卸の利益が出る価格で小売店が仕入れ、小売の利益が出る価格で消費者が購入するということだった。ふんわりと理解ていたつもりだったが、改めてまとめられると、目前の商品が辿った道のりがはっきりと分かって、鳥肌が立つ。電車で隣りに座ったおじさんも、iphoneをみつめるお姉さんも、みんなで協力して経済は成り立ち、社会があるのだなぁ、と感動した2022/10/10
joyjoy
8
拾い読み。6章の、買い物の心理が面白かった。スーパーの棚の前でグラム単価を計算して比べてみたり、これは家にあるもので自分で作れるかもと考えたり、むやみに?時間をかけてしまうこと、あるある。早い思考(直観的思考)と遅い思考(論理的思考)。経験を積み重ね、直感を磨くべし。2024/10/26
namtek
4
経済の教科書的な本。値段をつける過程がよくわかる。初級者向けで解りやすいと思う。2022/09/16