出版社内容情報
1921年1月、作家は妻を伴い、シチリアからサルデーニャへと旅立つ。躍動感溢れる筆致で描かれる孤高の島の自然と人々。五官を震わせる名紀行。
内容説明
「薄曇りの夜空のひろがるその下で、はるかかなたイオニア海の水平線に、金属が溶けあうように曙光がさしはじめた。よしと、一杯の紅茶とトーストのかけらを飲みこんだ」。1921年1月、作家は妻“女王蜂”を伴い、居住していたシチリアからサルデーニャに向けて旅立つ。近代化のさなかにあっていまだ野性味を残す島の自然と人々。市場の野菜。山々を行く汽車とバス。だがこの島にも第一次世界大戦後の世情が影を落とし…。作家は確かな直感と観察によって、旅の跡を活き活きと書き綴る。本文庫では原書初版で削除された箇所を復元。ロレンス文学の頂点と評される傑作旅行記を名訳で。
目次
1 パレルモまで
2 海
3 カリアリ
4 マンダス
5 ソルゴノへ
6 ヌーオロへ
7 テッラノーヴァへ、そして汽船
8 帰る
著者等紹介
ロレンス,D.H.[ロレンス,D.H.] [Lawrence,David Herbert]
1885‐1930年。イギリス中部の炭坑町イーストウッドに「採炭請負人」の息子として生まれ、南仏ヴァンスで亡くなる。20世紀イギリス文学を代表する作家。12作の長篇小説を始め、数多くの中・短篇小説、戯曲、紀行文、評論・エッセイを遺した
武藤浩史[ムトウヒロシ]
1958年東京生まれ。英国ウォリック大学大学院博士課程修了。慶應義塾大学名誉教授。専門は英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tokumei17794691
海
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