出版社内容情報
神との合一に到るための階梯を詳述したカトリック神秘思想を代表する作品。ヨハネは自らの詩に註解を施すかたちで神学的思索を行い、魂の浄化に向かう道を指し示す。「この山にはただ神の誉れと栄光だけが住まう」とされるカルメル山。すべてが闇の内へと沈む「暗夜」を通り抜け、山の頂きへ達するには、この世のあらゆることどもから──自分自身からさえも──逃れなければならない。魂の全き赤裸と神的一致をめぐる教説は、キリスト教徒を超えて人々に多大な影響を与えた。スペイン文学の至宝でもある古典を名訳でおくる。 解説 鶴岡賀雄
内容説明
神との合一に到るための階梯を詳述したカトリック神秘思想を代表する作品。ヨハネは自らの詩に註解を施すかたちで神学的思索を行い、魂の浄化に向かう道を指し示す。「この山にはただ神の誉れと栄光だけが住まう」とされるカルメル山。すべてが闇の内へと沈む「暗夜」を通り抜け、山の頂きへ達するには、この世のあらゆることどもから―自分自身からさえも―逃れなければならない。魂の全き赤裸と神的一致をめぐる教説は、キリスト教徒を超えて人々に多大な影響を与えた。スペイン文学の至宝でもある古典を名訳でおくる。
目次
霊魂の能動的暗夜(要旨;詩 ほか)
第1部 感覚の能動的暗夜(第一の詩句。人間は、劣った部分(体)と、高尚な部分(精神)とからなっているため、霊的な道を歩む人々の通る夜も、二つの異なったものがあること、ならびに次の詩句の説明。
神との一致に至るまでに、霊魂が通る暗夜とは何であるか。 ほか)
第2部 精神の能動的暗夜―理性(第二の歌;暗夜の第二部、すなわち信仰という暗夜の第二の原因について論ずる。何故に、この部分の暗夜が、第一または第三の部分よりも暗いかという理由について述べる。 ほか)
第3部 精神の能動的暗夜―記憶と意志(概要;記憶による通常の知覚について。―この機能によって神と一致するためには、その知覚に全くこだわらないようにしなくてはならない。 ほか)
著者等紹介
十字架の聖ヨハネ[ジュウジカノセイヨハネ] [Juan de la Cruz]
1542‐91年。スペイン中北部に生まれる。神秘家、聖人、教会博士。観想生活を旨とするカルメル会の修道士となり、アビラのテレサとともに同修道会の改革に従事
奥村一郎[オクムライチロウ]
1923‐2014年。岐阜県生まれ。カトリック司祭(カルメル会)。東京大学法学部、同大学文学部卒業後、カルメル会入会のため渡仏。帰国後は京都ノートルダム女子大学教授、聖母女学院短期大学学長、教皇庁諸宗教対話評議会顧問などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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