ちくま学芸文庫<br> ナショナリズムとセクシュアリティ―市民道徳とナチズム

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ちくま学芸文庫
ナショナリズムとセクシュアリティ―市民道徳とナチズム

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  • サイズ 文庫判/ページ数 464p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480512109
  • NDC分類 234.06
  • Cコード C0120

出版社内容情報

何がリスペクタブルな振舞か。ナチズムへと至る国民主義の高揚の中で、性的領域も正常/異常に分けられていく。セクシュアリティ研究の先駆的著作。

内容説明

18世紀の宗教復興とフランス革命を経て、西洋では「礼にかなった」作法を重んじる市民的価値観が浸透していった。リスペクタブルか否か?その問いかけはセクシュアリティをも正常/異常に区分し、国民主義と結びついて社会の管理・統制を強化した。逸脱行為と見なされた同性愛や売春は社会秩序を乱すものとされ、自制する「男らしさ」と、性欲を排した男同士の友情が市民道徳の基盤となっていく―。宗教、医学、芸術、性別分業、人種主義などの諸要素が絡まり合って作用し、市民的価値観と国民主義が手を取り合ってナチズムへ至る道が鮮やかに描き出される。文庫化にあたって、心理学者メアリー・ルイーズ・ロバーツによる新たな解説を付した。

目次

第1章 序論―国民主義と市民的価値観
第2章 男らしさと同性愛
第3章 身体の再発見
第4章 友情と国民主義
第5章 どんな女性?
第6章 戦争と青年と美しさ
第7章 血と性―アウトサイダーの役割
第8章 ファシズムとセクシュアリティ
第9章 結論―万人の道徳

著者等紹介

モッセ,ジョージ・L.[モッセ,ジョージL.] [Mosse,George L.]
1918‐99年。ベルリン生まれ。ウィスコンシン大学・ヘブライ大学名誉教授。専門はドイツ社会史。1933年ナチスの迫害を逃れて亡命。37年ケンブリッジ大学入学。39年にアメリカ移住後、ハーヴァード大学で博士号を取得

佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年生まれ。京都大学大学院教育学研究科教授

佐藤八寿子[サトウヤスコ]
1959年生まれ。Kollegium Kyoto代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

富士さん

6
日本人が書いた類書よりも、元ネタのこちらの方がわかりやすくておもしろかった。20世紀に現出したおぞましい集団主義が近代社会の延長線上にあるというのはよく指摘されるところですが、社会のセクシャリティもその一環であることを示した名著でした。著者の性格を反映してか、ヘテロセクシャルに基づく性別役割の本質化を主導した人たちの中にも、自身がそれを満たせていないことによるアンビバレントな立場があることをしばしば指摘しているのが特に興味深い点です。タテマエの言説ばかりに注目すると、豊かな歴史が汲み取れないと痛感します。2024/07/14

ポルターガイスト

4
難解だが傑作。『大衆の国民化』同様,日本にも定着している良識や常識的価値観とナチズムが地続きになっていることを示してくれる。本書曰く同性愛者の排除や貞節の重視,ジェンダー規範はユダヤ人へのそれと同様に宗教ではなく近代の市民的価値観とネイションの共犯関係が生み出した。ネイションは相対化の機運がある(それがわりと先進国の常識になってる)が,市民的価値観はそうではない。とうぜん良識は社会の凝集のために必要に決まっているが,落としどころをどこにするかで,近代のために支払われた代価の大きさは決まるだろう。2024/02/23

Fumoh

2
ヨーロッパ近代に高揚した市民道徳は、新しい思想としてナショナリズムを形成していった。そこにおける男女性(セクシュアリティ)はどのように関係づけられたのか、という論考。ジェンダー論を述べたいのではなくて、政治的思想としてのナショナリズムが、いかに男女性を規定していったかという論考だ。そこでは非常に杓子定規な男女性が待ち受けていた……極端なマッチョイズム、貞節な(また男性を繋ぎとめるだけの魅惑的な)女性像。自由を謳う傍ら、男女性に自由などなく、画一性を求められた。その理由を歴史背景から解説していく。2023/12/18

ちり

1
“正常と異常の社会的教会線を定義づけてきた宗教の役目は、医学によって徐々に取って代わられた。性倒錯の近代的ステレオタイプは、まず最初に医学文献に現れたのであり、当初から脱宗教化されていた。十九世紀の同性愛行為を禁止する立法は、もはや宗教的感性や聖書には訴えかけず、性倒錯が国民の健康に与える害悪に、あるいは人々の正義感が同性愛を犯罪と見なすことを求めているという仮説に訴えていた”2024/02/01

Go Extreme

1
国民主義と市民的価値観:ジェンダーと国家 ドイツとイギリス 男らしさと同性愛:宗教的帰阪→医学的診断 新しい生化学 同性愛者・ユダヤ人・デカダン派 身体の再発見:裸体主義・生活改良・青年運動 英個人主義・独共同体主義 友情と国民主義:市民的価値観・友情 友情崇拝→国民崇拝 どんな女性:国民的女性シンボル 少女戦士と両性具有  戦争と青年と美しさ: 血と性:人種主義と都市文化 反セム主義と同性愛 死のイメージ アウトサイダーの運命 ファシズムとセクシュアリティ:親衛隊と男性国家 女性の身体性 万人の道徳2024/02/14

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