出版社内容情報
至上の徳である仁を追求した孔子の言行録『論語』。原文に、新たな書き下し文と明快な現代語訳、解釈史を踏まえた注と補説を付した決定版訳注書。
内容説明
春秋時代の魯国、周王朝の復興を唱え、政治へのあくなき情熱とともに理想を追求した人、孔子。その言行録『論語』は、古来、多くの人々に人生の指針を与えてきた。孔子が弟子たちに教えたもの、それは学問、礼の実践、徳の涵養である。中心にあるのは徳であり、わけても「仁」を至上とした。仁とは、日常生活において状況に相応しい価値を適切に選び取れることを指し、それを体得した者が君子となる。本書は、「『論語』をして『論語』を語らしめること」を主眼に置き、何晏、朱子、仁斎、徂徠など、数多の解釈を比較考量。新たな書き下し文と明快な現代語訳、詳細な注と補説を付した決定版訳注書である。
目次
学而第一
為政第二
八〓第三
里仁第四
公冶長第五
雍也第六
述而第七
泰伯第八
子罕第九
郷党第十
先進第十一
顔淵第十二
子路第十三
憲問第十四
衛霊公第十五
季氏第十六
陽貨第十七
微子第十八
子張第十九
尭曰第二十
著者等紹介
土田健次郎[ツチダケンジロウ]
1949年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。早稲田大学名誉教授。博士(文学)。専門は中国思想、日本思想。日本中国学会理事長、日本儒教学会会長、中国社会文化学会会長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
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ゴールドまであと900日
77
だいぶ前に読み終わった本、図書館本だった。論語の注釈本は、いろいろ借りたり読んだりした。中国や周辺の国々に大きな影響を与えた本という意識、孔子自体、自分の理想とする国家を造ろうと奔走した。実際は、全然、そんな状態ではなかったのだろう。古代中国で、実力、武力で国家ができ、その背景となる思想や宗教、哲学がまだできていないかったのに、様々な思想家がいた。その一つで、理想ももって国を統治しようとした政治家そして思想家である。いまの日本でも、一つの生きる道しるべである。またいろいろ読んでみたい。中身は、良識と常識2024/10/13
summerman
0
古典を読むための本として非常に出来が良いと思います。訳注書の決定版という宣伝文句も決して大仰ではない。ただ肝心のお論語様がね。もうひたすらに空疎。これ何も言ってないのと同じじゃないっすか?より正確には何を言ったことにも出来る、といったところ。ま、そこが魅力なんだろうね。牽強付会の化身たるその有り様がね。時の権威権力からしたらこんなに便利な書物もなかろうて。それだけが今日まで生き延びた理由じゃないの。皮肉にも論語を愛した偉人たちの注釈の数々が証明している。君もこれを読んで虚飾を剥いだ偽名著の真の姿を目撃せよ2024/07/28