ちくま学芸文庫<br> 英霊―世界大戦の記憶の再構築

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ちくま学芸文庫
英霊―世界大戦の記憶の再構築

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480510785
  • NDC分類 234.068
  • Cコード C0120

出版社内容情報

第一次大戦の大量死を人々はいかに超克したか。仲間意識・男らしさの称揚、英霊祭祀等が「戦争体験の神話」を構築する様を緻密に描く。解説 今井宏昌

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近代戦争による大量死はいかに克服され、それはどのような政治的帰結をもたらしたか。仲間意識や男らしさ、自由のための意義ある戦争――フランス革命以来、義勇兵が紡ぎ出し、詩や軍歌、文学作品等を通じて支持された神話は、記念碑や戦没者墓地によりシンボル化され国民に共有された。西欧諸国で起きた「戦争体験の神話化」はキリスト教や自然崇拝を取り込んで発展し、英霊祭祀によって死をも統合して、戦争への馴致と政治の残忍化を導いていく。それは第一次大戦後のドイツで頂点に達した……。18世紀末から第二次大戦後までを射程に、神話が犠牲に満ちた現実を覆い隠し、戦間期政治に影響する様を克明に描く。全面改訳。 解説 今井宏昌
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戦争体験の神話化
大量死の現実はいかにして克服されたか。
フランス革命から第二次世界大戦後まで。

===

【目次】

第一章 新しい戦争  
 
Ⅰ 起盤となるもの
第二章 義勇兵の戦争  
1 革命戦争から解放戦争へ
2 ギリシア独立戦争
第三章 神話の創作  

Ⅱ 第一次世界大戦
第四章 青年と戦争体験  
第五章 英霊の祭祀  
1 神話とキリスト教
2 埋葬地
3 無名戦士の墓
4 戦争モニュメント
第六章 自然の流用  
1 自然
2 山
3 空
第七章 陳腐化の過程  
1 玩具・絵はがき・子供たち
2 演劇・映画・観光旅行

Ⅲ 戦後の時代
第八章 ドイツ政治の残忍化  
第九章 戦争の継続  
1 「新しい人間」 
2 スペイン内戦
3 平和主義
第十章 第二次世界大戦、神話、戦後世代  
1 断絶
2 英霊祭祀の衰退
3 顕彰から警告へ
 
訳者あとがき  
解説 『英霊』の遺したもの(今井宏昌)  

内容説明

近代戦争による大量死はいかに克服され、それはどのような政治的帰結をもたらしたか。仲間意識や男らしさ、自由のための意義ある戦争―フランス革命以来、義勇兵が紡ぎ出し、詩や軍歌、文学作品等を通じて支持された神話は、記念碑や戦没者墓地によりシンボル化され国民に共有された。西欧諸国で起きた「戦争体験の神話化」はキリスト教や自然崇拝を取り込んで発展し、英霊祭祀により死をも統合して、戦争への馴致と政治の残忍化を導いていく。それは第一次大戦後のドイツで頂点に達した…。18世紀末から第二次大戦後までを射程に、神話が犠牲に満ちた現実を覆い隠し、戦間期政治に影響する様を克明に描く。全面改訳。

目次

新しい戦争
1 起盤となるもの(義勇兵の戦争;神話の創作)
2 第一次世界大戦(青年と戦争体験;英霊の祭祀;自然の流用;陳腐化の過程)
3 戦後の時代(ドイツ政治の残忍化;戦争の継続;第二次世界大戦、神話、戦後世代)

著者等紹介

モッセ,ジョージ・L.[モッセ,ジョージL.] [Mosse,George L.]
1918‐99年。ベルリン生まれ。ウィスコンシン大学・ヘブライ大学名誉教授。専門はドイツ社会史。1933年ナチスの迫害を逃れて亡命。37年ケンブリッジ大学入学。39年にアメリカ移住後、ハーヴァード大学で博士号を取得

宮武実知子[ミヤタケミチコ]
1972年京都市生まれ。文筆業。京都大学大学院博士課程単位取得退学(社会学)。日本学術振興会特別研究員(国際日本文化研究センター)などを経て、2008年沖縄移住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

77
人はどのように近代戦争に直面したのか、を見てゆく本。第一次大戦を支えたのが崇高な理想と国家のための戦いといった「戦争体験の神話」で、それは近代戦争の大量殺戮に直面した人々の記憶を恐怖よりその意義や栄光へ向けさせたことが語られます。戦後、それがナショナリズムに力を貸しファシズムの台頭を招いたこと、しかし民間人の犠牲が激増した第二次大戦で英霊が犠牲者へ変化してゆき「神話」も衰微していったことが示されますが、その中でナショナリズムが再度隆盛すれば「神話」もまた蘇るだろうという言葉が不吉な予言のように残りました。2024/12/11

いとう・しんご singoito2

9
子安宣邦きっかけ。ドイツを中心とした西欧諸国を舞台とした19世紀初めから現代までの歴史で、WW1をピークとする戦争賛美の盛り上がりと、WW2以降の衰微のお話。戦死将兵の追悼施設について全体の2割弱ほどを割いています。西欧においてWW2以降、戦争賛美の英雄視が薄れて、純粋な追悼施設に移行している点、日本も見習いたいと思いました。著者はベルリン出身、アレントより7つ年下で、彼女同様、流れ流れてアメリカにたどり着いたみたいです。アレントの「全体主義の起原」をちょっと小粒にした感じでした。2024/10/01

馬咲

5
第一次世界大戦の未曾有の大量死に直面した西洋で、こうした戦争体験はどのように表現されて人々に受容され、さらに戦間期の政治にどんな影響を及ぼしたかを問う政治文化史的研究。祭祀の領域で、自然の再生やキリストの復活のイメージが戦没者を神聖化し、国民的崇拝の対象とする一方、戦争体験は、絵はがき、演劇、玩具等様々な媒体を通して、冒険心、男らしさ、仲間意識、社会的制約からの解放等の強調により、陳腐化されていく。歴史的地所が、コンテンツツーリズム的「聖地巡礼」スポットと化してライトに消費され始めるのも、この流れを汲む。2025/01/17

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