出版社内容情報
戦時体制を支えた精神構造は、「滅私奉公」ではなく「活私奉公」だった。第19回サントリー学芸賞を受賞した教育社会史の傑作が、待望の文庫化!
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天皇制イデオロギーの「内面化」が、戦時体制を積極的に担う陸軍将校を生み出したというのは真実か。本書は、膨大な史料を緻密に分析することを通じて、従来の前提とされていた言説を鮮やかに覆していく。戦前・戦中の陸軍将校たちは、「滅私奉公」に代表されるような従来のイメージとは異なり、むしろ世俗的な出世欲をもつ存在だった。秩序への積極的な同化こそが、陸軍将校を生んだ。上巻には、「〈序論〉 課題と枠組み」から「〈第2部〉 陸士・陸幼の教育」第2章までを収録する。第19回サントリー学芸賞受賞作、待望の文庫化。
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【目次】(上巻)
文庫版のためのまえがき
〈序論〉 課題と枠組み
第一節 問題意識/第二節 対象と研究枠組み
〈第Ⅰ部〉 進路としての軍人
第一章 陸士・陸幼の採用制度の変遷と競争の概観
第一節 はじめに/第二節 学力と学歴/第三節 納金制の変遷/第四節 志願者数の変動/第五節 志願・採用者の学歴/第六節 小括
第二章 下士から将校への道
第一節 はじめに/第二節 建軍期の下士制度/第三節 一八八一年の諸改革/第四節 下士と将校の遥かな距離/第五節 小括
第三章 進学ルートとしての評価
第一節 はじめに/第二節 志願・採用状況と地域分布/第三節 中学の学校階層と陸士志願/第四節 昭和初頭までの概括/第五節 戦時期における軍学校への進学/第六節 小括
第四章 将校生徒の社会的背景
第一節 課題/第二節 将校生徒の族籍/第三節 出身家庭の職業/第四節 出身家庭の社会経済的地位/第五節 小括
〈第Ⅱ部〉 陸士・陸幼の教育
第一章 教育目的とカリキュラム
第一節 はじめに/第二節 教育目的と方針/第三節 カリキュラム/第四節 小括
第二章 教育者と被教育者
第一節 はじめに/第二節 形式化・形骸化した訓話/第三節 国家我と立身出世/第四節 生徒の作文から(その1)/第五節 生徒の作文から(その2)/第六節 小括
内容説明
天皇制イデオロギーの「内面化」が、戦時体制を積極的に担う陸軍将校を生み出したというのは真実か。本書は、膨大な史料を緻密に分析することを通じて、これまで前提とされてきた言説を鮮やかに覆していく。戦前・戦中の陸軍将校たちは、「滅私奉公」に代表されるような従来のイメージとは異なり、むしろ世俗的な出世欲をもつ存在だった。秩序への積極的な同化こそが、陸軍将校を生んだ。上巻には、「序論 課題と枠組み」から「第2部 陸士・陸幼の教育」第2章までを収録する。第19回サントリー学芸賞受賞作、待望の文庫化。
目次
序論 課題と枠組み
第1部 進路としての軍人(陸士・陸幼の採用制度の変遷と競争の概観;下士から将校への道;進学ルートとしての評価;将校生徒の社会的背景)
第2部 陸士・陸幼の教育(教育目的とカリキュラム;教育者と被教育者)
著者等紹介
広田照幸[ヒロタテルユキ]
1959年生まれ。現在、日本大学文理学部教育学科教授。研究領域は教育社会学で、近現代の教育を広く社会科学的な視点から考察している。1997年、『陸軍将校の教育社会史』(世織書房)で第19回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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