ちくま学芸文庫<br> 陸軍将校の教育社会史〈上〉―立身出世と天皇制

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ちくま学芸文庫
陸軍将校の教育社会史〈上〉―立身出世と天皇制

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480510532
  • NDC分類 396.21
  • Cコード C0121

出版社内容情報

戦時体制を支えた精神構造は、「滅私奉公」ではなく「活私奉公」だった。第19回サントリー学芸賞を受賞した教育社会史の傑作が、待望の文庫化!

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天皇制イデオロギーの「内面化」が、戦時体制を積極的に担う陸軍将校を生み出したというのは真実か。本書は、膨大な史料を緻密に分析することを通じて、従来の前提とされていた言説を鮮やかに覆していく。戦前・戦中の陸軍将校たちは、「滅私奉公」に代表されるような従来のイメージとは異なり、むしろ世俗的な出世欲をもつ存在だった。秩序への積極的な同化こそが、陸軍将校を生んだ。上巻には、「〈序論〉 課題と枠組み」から「〈第2部〉 陸士・陸幼の教育」第2章までを収録する。第19回サントリー学芸賞受賞作、待望の文庫化。
===

【目次】(上巻)
文庫版のためのまえがき

〈序論〉 課題と枠組み
第一節 問題意識/第二節 対象と研究枠組み

〈第Ⅰ部〉 進路としての軍人
第一章 陸士・陸幼の採用制度の変遷と競争の概観   
第一節 はじめに/第二節 学力と学歴/第三節 納金制の変遷/第四節 志願者数の変動/第五節 志願・採用者の学歴/第六節 小括

第二章 下士から将校への道   
第一節 はじめに/第二節 建軍期の下士制度/第三節 一八八一年の諸改革/第四節 下士と将校の遥かな距離/第五節 小括

第三章 進学ルートとしての評価   
第一節 はじめに/第二節 志願・採用状況と地域分布/第三節 中学の学校階層と陸士志願/第四節 昭和初頭までの概括/第五節 戦時期における軍学校への進学/第六節 小括

第四章 将校生徒の社会的背景   
第一節 課題/第二節 将校生徒の族籍/第三節 出身家庭の職業/第四節 出身家庭の社会経済的地位/第五節 小括

〈第Ⅱ部〉 陸士・陸幼の教育
第一章 教育目的とカリキュラム   
第一節 はじめに/第二節 教育目的と方針/第三節 カリキュラム/第四節 小括

第二章 教育者と被教育者   
第一節 はじめに/第二節 形式化・形骸化した訓話/第三節 国家我と立身出世/第四節 生徒の作文から(その1)/第五節 生徒の作文から(その2)/第六節 小括

内容説明

天皇制イデオロギーの「内面化」が、戦時体制を積極的に担う陸軍将校を生み出したというのは真実か。本書は、膨大な史料を緻密に分析することを通じて、これまで前提とされてきた言説を鮮やかに覆していく。戦前・戦中の陸軍将校たちは、「滅私奉公」に代表されるような従来のイメージとは異なり、むしろ世俗的な出世欲をもつ存在だった。秩序への積極的な同化こそが、陸軍将校を生んだ。上巻には、「序論 課題と枠組み」から「第2部 陸士・陸幼の教育」第2章までを収録する。第19回サントリー学芸賞受賞作、待望の文庫化。

目次

序論 課題と枠組み
第1部 進路としての軍人(陸士・陸幼の採用制度の変遷と競争の概観;下士から将校への道;進学ルートとしての評価;将校生徒の社会的背景)
第2部 陸士・陸幼の教育(教育目的とカリキュラム;教育者と被教育者)

著者等紹介

広田照幸[ヒロタテルユキ]
1959年生まれ。現在、日本大学文理学部教育学科教授。研究領域は教育社会学で、近現代の教育を広く社会科学的な視点から考察している。1997年、『陸軍将校の教育社会史』(世織書房)で第19回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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金吾

28
◎文庫になっていましたので、再購入しました。様々な数値や分析を経て、陸軍士官学校や幼年学校等の性格、レベル、教育内容等を明らかにしています。特に志願者の社会階層や進学ルートとしての評価は面白かったです。2023/02/21

CTC

13
7月のちくま学芸文庫新刊。単行本は97年世織書房で、基となった考察は著者の85年の修士論文〜10年掛けての博士論文という。著者は日大文理学部教授で、日本教育学会会長という(高校時代に将棋で日本一になっている経歴…実際堅いテーマの中でちょいちょいユーモアを感じます)。さて、日本陸軍の将校教育に於いて、特にその精神面の教育方針や実態はどうであったかを視るもの。個人的には学科等の内容の方にこそ興味があったのだが、そこには触れないので注意。ただ労作だけあって史料読みは細かいから中々発見ある読書になった。2021/08/15

MUNEKAZ

12
日中戦争までを対象に、陸軍の将校教育、とくに思想面での部分に着目した社会史。上巻の読みどころは、士官学校や幼年学校に進む生徒の社会的な出自を考察した章。貴族やブルショア層が中心となった西欧と異なり、日本は中間層がその担い手の中心で、士族の影響も早くに薄れたというのは、なかなか興味深い。徳川時代までの身分制が崩れ、「学力」のみで立身出世が可能な体制が築かれていたのは、当時の日本陸軍の「進んだ」面であると評価している。また教育面でも、出世を望む生徒たちの野心を肯定する風潮があったというのも面白い。2022/12/03

つわぶき

5
西欧において将校団の担い手は久しく貴族層が担った一方で、日本におけるそれは士族層が少なく(明治初期を除く)、中間層が多かった。これは将校の道が安価な立身出世の手段であった上、所謂上流階層にとっては魅力の薄い進路であった(それらは旧制高校→帝国大学コース→文官等へ流れた)ことが大きい。そして、士官学校での教育では無私の献身が強調され、功名心や出世主義は戒められたが、それらの精神教育は士官候補生の上昇志向を冷却するには至らなかったようである。2021/10/04

フェイ

4
Twitterで紹介され創作に有用と思い購入。結果、大変参考になった。 ヨーロッパでは将校=社会上流層の時代が長く続いたか、日本では母体となるべき士族層が早期に解体されたことから、能力主義で選抜された。将校の出身も当初こそ士族層が主流だったものの、士族層の解体で農民層などが下士官経由での成り上がりを目指すようになり、さらに時代が進むと学校をきちんと出ている層が士官学校に入学する学歴社会に行き着くようになる。彼らが陸軍生活をどう生きるようになるかは下巻に記載されている。2021/07/23

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