出版社内容情報
唐詩より数多いと言われる宋詩から、偉大なる詩人達の名作を厳選訳出して解釈する。親しみやすい漢詩論としても読める、選者解説も収録。解説 佐藤保
内容説明
唐詩の時代より、「詩」という形式が広く親しまれるようになり、作者も作品もはるかに数多かったと言われる宋代。本書では、この安定した中国的国家体制が敷かれていく時代を、北宋と南宋に大別し、おのおの約30人ずつの数作を選ぶ。自分が好きな詩に限って選んだと述べつつ、王安石、黄庭堅、蘇軾、陸游ら、偉大なる詩人たちの名作を解釈し訳出する。巻末につけられた編訳者による「解説」は、親しみやすい調子で書かれた充実の宋詩論かつ漢詩概説にもなっている。
目次
北宋(徐鉉;楊徽之;王禹〓;寇準;林逋 ほか)
南宋(李彌遜;呂本中;朱弁;曹〓;左緯 ほか)
著者等紹介
小川環樹[オガワタマキ]
1910‐93年。京都帝国大学文学部卒業。東北大学教授を経て、京都大学文学部教授、同名誉教授。専門、中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
66
漢詩を読む機会は多々あれど、その多くは唐のものでその他に触れる事はあまり無かったので、斯様にまとめられたのはありがたい。有名なものでは文天祥の「正気の歌」を始め、蘇東坡等が含まれており、これらは以前より読みたかったのでこちらもありがたい。全体的な印象としては、何となく唐のものよりもの悲しさを感じるようなものが多いかな。向こうの暮春に対して、こちらは秋の暮れのような。また全体的に自然を歌ったものが多いが、これは編者の趣味みたい。自分としても人情を歌うより自然を歌う物の方が趣味に合うので、その点も満足でした。2021/09/07
さちこ
3
書店に立ち寄り目にとまったもの。手にとって、買おうか否か、迷うこと数日。なぜ、宋詩(宋の時代)なのか? 理由なんてない。 書棚に並んでいたのが宋だったから。(ギャグではないよ) 気が向いた時に、眺めようと思いまして。 まぁ、高校の時、漢文は好きだったから(白文よみのテストが懐かしい) 「村行(そんこう)」王禹偁 馬穿山徑竹初黄 信馬悠悠野興長 萬壑有聲含晩籟 數峯無語立斜陽 棠梨葉落胭脂色 蕎麥花開白雪香 何事吟餘忽惆悵 村橋原樹似吾鄕 蕎麦の花・・・・2021/06/21