出版社内容情報
社会集団内で宗教儀礼が果たす意味と機能を明らかにし、コムニタスという概念で歴史・社会・文化の諸現象の理解を試みた人類学の名著。解説 福島真人
内容説明
アフリカのンデンブ族の儀礼にみられる、豊かで複雑な象徴的事物。それは彼らにとって何を意味し、社会のどのような側面を映し出しているか。本書の前半では儀礼に対する現地の人々の解釈を収集し分析することで、その意味と構造を導き出す。後半はファン・ヘネップの通過儀礼論を発展させた“反構造”“リミナリティ”“コムニタス”といった概念をもとに、宮廷の道化師、中世のフランシスコ修道会、さらにはヒッピーや、シェイクスピアの文学作品など、歴史・社会・文化の諸現象の理解を試みる。人類学の枠を越えて多分野に影響を与えた、象徴人類学の古典的名著。
目次
第1章 生と死の儀礼における分類の次元(モルガンと宗教;中央アフリカにおける儀礼の研究 ほか)
第2章 ンデンブの儀礼における双子のパラドックス(親族と生活とにおける双子の問題―アフリカの実例のいくつか;ンデンブ族の双子儀礼の筋書 ほか)
第3章 リミナリティとコムニタス(通過儀礼の形式とその属性;ある任命式儀礼のリミナリティ ほか)
第4章 コムニタス―様式と過程(コムニタスの諸形式;イデオロギー的コムニタスと自然発生的コムニタス ほか)
第5章 謙虚さと階級制―身分の昇格と逆転のリミナリティ(身分昇格の儀礼と身分逆転の儀礼;人生の危機における行事と年中行事 ほか)
著者等紹介
ターナー,ヴィクター・W.[ターナー,ヴィクターW.] [Turner,Victor W.]
1920‐83年。イギリスの人類学者。マンチェスター大学でグラックマンに師事。アフリカの部族社会の現地調査を行い、マンチェスター大学、コーネル大学、シカゴ大学、ヴァージニア大学で教授を務めた。儀礼やパフォーマンスの研究で知られ、象徴人類学の中心的存在である
冨倉光雄[トミクラミツオ]
1928‐2003年。茨城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は比較宗教学、日本宗教史。埼玉県立衛生短期大学教授などを務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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