出版社内容情報
中世後期は商業的統合と市場拡大が進展した時代と言われる。厳密な歴史分析とゲーム理論を駆使して、政体や経済の動態的変化に迫った画期的名著。
内容説明
中世後期、ヨーロッパは商業の復活を迎えた。そこにはどのような制度的基盤があったのか。本書はこの問題に、ゲーム理論に基づく制度分析という新しい方法を用いて取り組んだ。著者は「制度」を、ルール・予想・規範・組織が相互に関係したシステムで、人々の行動に一定の規則性を与えるもの、と考える。マグリブ貿易商、ハンザ同盟、都市国家ジェノヴァなどを対象に、史料に基づいて制度のゲーム理論的モデルを構築し、制度の安定性と機能、そして制度変化の可能性を分析する。上巻には、「第1部 準備」から「第3部 歴史的過程としての制度のダイナミクス」の第8章までを収録。
目次
第1部 準備(イントロダクション;制度と取引)
第2部 均衡状態にあるシステムとしての制度(自律的秩序による契約履行制度:マグリブ貿易商の結託;国家の触手から所有権を守る:商人ギルド;内生的な制度とゲーム理論分析)
第3部 歴史的過程としての制度のダイナミクス(内生的制度変化の理論;制度の軌跡:過去の制度は現在の制度にどのような影響を及ぼすか;国家の建設:ジェノヴァの興亡)
著者等紹介
グライフ,アブナー[グライフ,アブナー] [Greif,Avner]
1955年、テルアビブ生まれ。1981年、テルアビブ大学卒業。1989年、ノースウェスタン大学博士課程修了。Ph.D(経済学)。現在、スタンフォード大学経済学部教授。比較歴史制度分析という新しい研究方法を提唱し、経済史や経済開発における制度の役割について研究を行っている
岡崎哲二[オカザキテツジ]
1958年生まれ。現在、東京大学大学院経済学研究科教授
神取道宏[カンドリミチヒロ]
1959年生まれ。現在、東京大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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