内容説明
古代の癰疽(悪性腫瘍・壊疽)には、現代病といわれる糖尿病、癌、結核、性病など重篤な病気が含まれている可能性がある。その原因がストレスや食生活のほか錬金術による薬(水銀・砒素)の服用にあると指摘し、状況に応じた治療薬、方法を呈示。現代医学の基本をここに見る。世界的文化財・国宝「医心方」。東洋医学の源流を照らす画期的偉業。
目次
癰疽(悪性腫瘍)の種類と原因について
癰疽が化膿しないうちの治療法
化膿した癰疽の治療法
背にできた癰(発背、蜂窩疽など)の治療法
附骨疽(骨膜炎、化膿性髄炎など)の治療法
石癰(頚項、腰股間、膝などに発生する腫塊)の治療法
〓〓(ざせつ)(毛嚢周囲炎、急性化膿性毛嚢炎など)の治療法
〓(ひょう)疽(現代の脱疽、壊疽等、急性化膿症感染)の治療法
慢性の疽の治療法
緩疽の治療法
甲疽(爪甲剥離症)の治療法
腸癰(虫垂炎など)の治療法
肺癰(肺膿癰、肺壊疽など)の治療法
著者等紹介
槇佐知子[マキサチコ]
作家。古典医学研究家。静岡県生まれ。作家瀧井孝作に師事し、その推薦で作品を「心」(平凡社)に発表。そのかたわら、独学で『医心方』を全訳。『全訳精解大同類聚方百巻』(1985、平凡社、1992年、新泉社より復刊)により、菊池寛賞・エイボン功績賞を受賞。日本医史学会・儀礼文化学会会員。1993年より『医心方』30巻(全33冊)の全訳精解を筑摩書房より逐次刊行中。日本伝統医療科学大学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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