出版社内容情報
歴史の痕跡があるアイルランドを舞台に、人間の宿命と悲喜交々を描く。苦みと同時にふしぎな優しさをあわせもつ短編小説の魔法8編。解説 栩木伸明
【目次】
内容説明
不倫の終わりに、老女の秘めた愛の深さを知る女を描いた「パラダイスラウンジ」、女性用下着のセールスマンが孤独の中で英雄的交響曲を夢想する物語「音楽」、土地を守る父の夢と、その代償を背負わされる娘の歳月を予見する「キャスリーンの牧草地」など、短編小説の名手が故郷アイルランドを舞台にして書いた傑作8編を収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
M H
22
「アイルランド・ストーリーズ」からの8篇。全部既読のはずなのにいい感じで忘れててどっぷり。こんなに好きなのに憶えてないとかもはやつける薬がない。「音楽」「キャスリーンの牧草地」あたり後味がかなり重いが勁さを信じたくなる。序盤からは予想できない展開に読者も慄く「女洋裁師の子供」の十字架も、揺れ動きながら微かな希望を仄めかす「見込み薄」も生きているから起きること。トレヴァーはやっぱり人の営みや心を信じていた作家だと思う。2026/11/01
Shun
21
トレヴァー短編集を続けて読む。常の私なら違う味の本を求めるところだったが何故だろうトレヴァーから離れられなかった。惜しむらくは次なる第三巻は来月刊行ときていることだ。さて読み進めるたび、この作家の世界に魅了されていったのだが最初読み始めたころの手触りとは若干異なってきているようにも感じた。大きなことは何も起きないと思っていたのだが、その事件のない日常でも人々の胸中にはとてつもない哀しみやささやかな喜びが芽吹いているのが見えてくる。「書かないことで、書く。」と表現した岸本佐和子さんの言葉に全て詰まっている。2026/11/05
まこみや
10
読了2026/10/25




