出版社内容情報
海を挟んだ隣国においても「こわい噂」は絶えることがない。逢魔が時の学校、無人のトイレ、死と隣り合う病院の夜、軍隊内に伝わる囁き、密集する高層アパート、訪れる死神、祖先たちに捧げる祈り、圧政への抵抗、ネットに広がる誰かの言葉──都市伝説とは即ち社会の鏡であり、文化を知るための扉でもある。民俗学研究の第一人者が現地で採集した貴重な説話の数々を紹介&テーマ別にガイド。
※本書は2003年刊『日本より怖い韓国の怪談』の改題・増補版です
カバーデザイン
坂野公一+吉田友美
(welle design)
カバー写真
Adobe Stock
【目次】
民俗学者、韓国で都市伝説と出会う (ちくま文庫版書き下ろし)
一冊目 学校の怪談
二冊目 受験地獄
三冊目 病院にて
四冊目 軍隊の噂
五冊目 乗っていくもの
六冊目 高層アパート
七冊目 人形たち
八冊目 あの世からの使者
九冊目 死んだはずの人なのに
十冊目 祖先祭祀
十一冊目 女の神秘と怪
十二冊目 獣の霊力、竜の祟り
十三冊目 おまじない
もう一つの「都市伝説」(ちくま文庫版書き下ろし)
デジタル化する都市伝説(同上)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
前世紀末に韓国で語られた都市伝説を収集した一冊。丁度その頃は日本でも都市伝説全盛期であったが、韓国もそうだったのであるなあ。序盤こそ日本で語られていたのと同じようなものが多かった為に読んで損した気になったが、読み進める毎に韓国独自のものが表れてきて俄然面白くなる。特に「軍隊の噂」は隣に北朝鮮のある故の独自の緊迫感があったり、「祖先祭祀」はジェネレーション・ギャップに戸惑う幽霊があったりとその国独特の噂を楽しむことが出来る。日本ではその後ネットロアに取って代わられたけど、韓国の現在がどのような物か気になる。2026/08/24
佐倉
17
1990年代に島村恭則が韓国で採取した怪談・都市伝説をまとめた一冊。『赤い紙青い紙』『赤いマスクの女』『夫の顔から真っ赤な血が』『幽霊を乗せたタクシー』など日本にもある怪談のバリエント的なものもあれば38度線で語り継がれる『プルコギ・バンカー』、祖先祭祀の形態が変わったことで幽霊の側が戸惑う『帰れなかったおばあさん』など韓国ならではというエピソードもあり興味深い。韓国のお金の図案が実はバラバラ殺人の被害者の『怨みをはらすおまじない』だった…という話はゾクッとくる鋭さのある都市伝説で気に入った。2026/08/21
宗蓮
13
韓国もこういう(既視感ある怪談・都市伝説のあれやこれや)話あるんや。へぇ~混じりに読んでいくとそれぞれの背景や理由、成立のための道具立てに補強の舞台設定等々、韓国についてだけでなく怪談・都市伝説そのものについてまでフムフム出来る味のある読書に。人生で面白い授業を受けれる機会なんて、面白くない授業を受けないとそれほど訪れないので(個人の問題)とても嬉しかった。そんな一冊。あくまでフランクに読めるのでフランクに。良書ってやつです。2026/10/03
流石全次郎
10
現代民俗学者という肩書の著者が韓国の大学の教壇にったった際に、学生達から集めた都市伝説をまとめた一冊。怖い話のあとに、このような物語が語られた背景を日本人学者のまなざしで文化と風土、時代背景の解説をつけて理解した気になれた。怖い話が続いたけど巻末付近の解説は自分にはやや退屈だった。2026/09/12
歩月るな
9
2003年に出た本の文庫化、なので四半世紀以上前のゴリゴリの口承・筆記でなされた学生たちによる都市伝説の集成となる。気になっていた本が手に取れる形で復活してくれてありがたい。全然インターネット、携帯電話も普及する前で、文字通り口伝えで当時の学生がキャンプファイヤーを囲みながら語ってた怖い話、という生生しい記録で、どっかで聴いたような話がちゃんとあるのが本当に面白い。2026/09/01




