ちくま文庫<br> コメと日本人

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ちくま文庫
コメと日本人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 208p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480441010
  • NDC分類 616.2
  • Cコード C0140

出版社内容情報

植物としてはすこし変わった特性をもつコメやイネを、植物学の見地から、あるいは人との関わりから掘り起こし、それを鏡に人間社会を考える。コムギやトウモロコシと並んで世界三大穀物の一つに数えられるイネ。世界にはたくさんの植物があるのに、なぜ日本人の祖先は数ある植物の中からイネを選び、コメは日本人にとって特別な食べ物になったのか。植物としては奇妙な特徴をもつイネやコメが、田んぼという日本の原風景を作り、経済作物にもなった。植物学を足掛かりに人間文化との深い結びつきをひも解く。

解説 小泉武夫



カバーデザイン 神田昇和

カバーイラスト 日本植物画倶楽部会員 北 博子



【目次】

第一章 米って何だ?

お米はイネの種子/米は芽を出すか?/イネの芽生え/白米の炭水化物/「せんべい」と「あられ」の違い/もち米という不思議な米/「粳」と「糯」の違い/もち米が呼ぶ幸せ/生米は食べられない/もち米の調理方法/おいしいお米を求めて/人間が守ってきた特別な米/花粉が米に影響する/植物の特殊な受精/もう一つの白い米/日本酒の作り方/さらに日本酒が姿を変える/白米が白い理由/赤飯への思い/皮が重要だ



第二章 イネという植物

第一話 イネとはどんな植物だろう

イネの仲間の植物/イネ科の誕生/花びらを捨てたイネ科植物/イネの花の構造/姿を変えたイネ科植物の工夫/大切な部分を守る/ある工夫された工作/そしてイネ科は株になる/素早く成し遂げる/鮮やかな節間伸長/草食動物の生き残り戦略/草食動物の進化/魅力的なイネ科植物の種子/イネ科の種子が人類を救った/そして人は人となった/農業の生まれる場所/農業のはじまり/「糖」の魅力/イネの祖先/湿地に適応したイネ科植物

第二話 日本の米と世界の米

二種類のイネ/リンネのアイデア/山田家の太郎くん/ゴリラ・ゴリラの謎/日本の米と世界の米/ジャポニカを選んだ日本人/米が作った食文化



第三章 田んぼというシステム

水浸しの平野/田んぼに水を張る理由/田んぼの進化/田んぼの開発ブーム/そして平野が開発された/田んぼの面積が二倍になった/田んぼが水をコントロールする/水田は砂漠化しない/農業による環境破壊/田んぼの底力/連作が可能な田んぼ/ごちゃごちゃした日本の風景/生産性の高いイネ/過密な人口を支えるイネ/手をかける農業/世界がうらやむ農業



第四章 米で読み解く日本の歴史

日本の米がやってきた/東日本にイネが広がらなかった理由/稲作と富/時代を大きく変えたもの/その頃、中国大陸では……/鉄の発見/弥生時代からの技術/巨大なクニの出現/大和政権は米が大好き/北限の稲作地帯/肉食の禁止/米が支えた肉食の禁止/田んぼを拡大したい/新しい村々の誕生/お米で決めた単位/米はお金の代わりだった?/どうして米が大切なのか/米が貨幣になった理由/昔の精米技術/江戸患いの謎/米作りへの執念/北の大地の挑戦/産地の北進



第五章 米と日本人

苗字はイネの苗/ひな祭りもこどもの日も田んぼの行事だった/「さの神様」がやってくる/サクラは神様の依代/お月見のススキの意味/国技の相撲と田んぼの関係/稲荷神社にキツネが祭られる理由/水を守るヘビ/田んぼの神様がやってくる/神様を感じる/「米」という神聖なもの/日本人は田植えのリズム/日本人のアイデンティティ/災害を乗り越えて/世界に誇るべきもの



解説:イネを愛する至高の一冊 小

内容説明

コムギやトウモロコシと並んで世界三大穀物の一つに数えられるイネ。世界にはたくさんの植物があるのに、なぜ日本人の祖先は数ある植物の中からイネを選び、コメは日本人にとって特別な食べ物になったのか。植物としては奇妙な特徴をもつイネやコメが、田んぼという日本の原風景を作り、経済作物にもなった。植物学を足掛かりに人間文化との深い結びつきをひも解く。

目次

第一章 米って何だ?(お米はイネの種子;米は芽を出すか? ほか)
第二章 イネという植物(イネとはどんな植物だろう;日本の米と世界の米)
第三章 田んぼというシステム(水浸しの平野;田んぼに水を張る理由 ほか)
第四章 米で読み解く日本の歴史(日本の米がやってきた;東日本にイネが広がらなかった理由 ほか)
第五章 米と日本人(苗字はイネの苗;ひな祭りもこどもの日も田んぼの行事だった ほか)

著者等紹介

稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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わ!

8
とても良い本です。植物学の目線から切り込んで行くのですが、歴史や民俗学的な面でも、読み手が満足するところまで掘り下げてくれています。米の白さが「アルビノ種」に起因するものとの説には驚きました。私たちの祖先は大変な手間をかけた改良を重ねて、現在の白米が作られているのだな…と納得させられます。お米がどんな植物なのかがよくわかりますし、日本米のおいしさの秘密がよく分かる良書となっています。美味しいお米…と、美味しいお酒が作れるお米は、また少し違うということもよく分かりました。「美味しさ」とは不思議なものですね。2026/05/05

ぴゃす

2
びっくりするくらいおもしろい。田んぼに水を張る理由、一番驚いた。わたしは農家の娘なのにそんなことも知らなかった。そのあと家族ラインで連絡したが、誰も知らなかった。米農家なのに。 植物の面白さから歴史への関与、そのあともスペシャルな雑学がモリモリ。こういうものを自分のものにしたいと思えるが、直ぐに忘れてしまうんだろう。また読もうね。 なぜ手に取ったかもあまり覚えていないが小説に辟易しているところに救世主だった。読まなくてはならない本も思い出した。2026/05/19

アヴィ

1
コメを主食とし、コメを愛する日本人。コメの価格に一喜一憂する様は滑稽でもあるが、コメ無しで食卓を語れない日本人のアイデンティティでもある。狩猟民族であった縄文人に対して、大陸から渡来した弥生人によって稲作が持ち込まれたと歴史の教科書で習うが、そのあたりにも様々な事情や歴史認識があって面白い。戦国から江戸期にかけての米本位性経済などは確かにその通りであり、近代においてもコメは常に政治や経済と密接に関係する。2026/04/29

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