出版社内容情報
終戦から33年が経過した1978年、著者・真尾は沖縄へ向かう。県民の四人に一人が犠牲になった地上戦に巻き込まれ、親を、子を、夫を、友を、尊厳を、あらゆるものを奪われた女性たちの痛みの記憶は、戦後なお静かに秘められていた。黙する声を聴き取ろうとする「己の罪深さ」を強く自覚し、それでも未来へ言葉を残す。祈りを届ける傑作ノンフィクション、待望の復刊。
解説 吉川麻衣子(沖縄大学教授)
カバーデザイン 宮本亜由美
カバー画 喜屋武千恵「祈りの地」/株式会社ジェイシーシー所蔵
内容説明
終戦から33年が経過した1978年、記録作家は沖縄へ向かう。県民の四人に一人が犠牲になった地上戦に巻き込まれ、親を、子を、夫を、友を、尊厳を、あらゆるものを奪われた女性たちの痛みの記憶は、戦後なお静かに秘められていた。黙する声を聴き取ろうとする「己の罪深さ」を強く自覚し、それでも未来へ言葉を残す。祈りを届ける傑作ノンフィクション、待望の復刊。
目次
第一章 うわいすうこう
第二章 ぬちどたから
第三章 いくさ世
第四章 アメリカ世
第五章 あかばなぁ
著者等紹介
真尾悦子[マシオエツコ]
1919年、東京生まれ。作家。旧制共立女子専門学校卒業。2013年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるま
13
先日の沖縄旅行時に現地の本屋で購入 戦後80年 沖縄戦のことを詳しく学ぶことができた 著者自身は故人であり、1981年に筑摩書房より刊行され、今年新装復刊された 自身ここまで、リアルな戦争体験本を読んだことはなかった 壮絶な地上戦が繰り広げられた沖縄の地 その証言を取材した本屋 「こういう、平和なときには、とても考えられない有様なんです。(中略)生きるか死ぬかのギリギリになったら、けっしてきれいごとでは通りません。」〜引用 未来永劫、語り継がれていかなければならないと痛切に感じた 怖いくらいの内容でした2025/09/23
駒場
12
戦後30年で聞き書きされた沖縄戦の女性たちの話。4人に1人が死んだ沖縄戦。終わりのない艦砲射撃、はらわたの飛び出た女をただ見ているだけの人々、上半身が吹っ飛びウジの湧いた死体のある壕で明かす夜、友軍(日本兵)に脅されて泣く子供を沼に沈める母、暗闇の中芋を掘り当てたと思ったら人間の腕だった……と、3カ月続いた地獄。そして彼女らが口をそろえて批判するのが「友軍の暴力」と本土からの疎外。“私たちの<国>は……十数万人の県民と約十万人の兵士の生命を犠牲にした上に、その沖縄を切り捨てることで生き延びたのである”2025/08/06
アイリス
5
戦後33年後沖縄戦について、県外の作者が女性達にインタビューした本。沖縄人として、戦後80年戦争の話は知っているつもりが、この本を読んでとても言葉では表せない悲痛な思いを持った。と同時にもっと多くの人に読んで欲しい、知って欲しいと思った。未だ夜中2時過ぎに米軍機が飛び交う現状に戦争で命を落とした人々が浮かばれないし、今後どうなるのか不安になる。戦争はまだ続いてる。2025/09/28
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
5
かねて気になっていた本。新版が出てありがたい。新たないくさ世が来るような気配に不安が募る今、過去の過ちを無かったことにしようとする輩がいる今、読んで欲しい一冊。2025/06/20
Hiroki Nishizumi
3
つくづく沖縄は大日本帝国敗戦のツケの大部分を請け負った、貧乏クジを引いた、歴史なんだなと悲しくなった。2025/10/08
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