出版社内容情報
米国で何者かになろうと海を越えた青年、夫の海外転勤に合わせて渡米した女性、人生に詰んで海外へ拠点を移した男性──。異国の地で、不安定さや傷つきに揺れながらも、そのとき成しえる最良の力で人生にぶつかっていく。その語りに、若き日の著者が耳を傾け、生きるということを同じ目線で考えた記録。
解説 奈倉有里
内容説明
米国で何者かになろうと海を越えた青年、夫の海外転勤に合わせて渡米した女性、人生に詰んで海外へ拠点を移した男性―。異国の地で、不安定さや傷つきに揺れながらも、そのとき成しえる最良の力で人生にぶつかっていく。その語りに、若き日の著者が耳を傾け、生きるということを同じ目線で考えた記録。
目次
孤独の物語
アメリカン・ドリーム
移民候補生
リミナリティ
PTSD
ステレオタイプ
恋愛と結婚
邦人援護
二〇歳の人生落伍者
謎の女
パレスチナ
レクイエム
GOOD BYE=THANK YOU
著者等紹介
宮地尚子[ミヤジナオコ]
一橋大学大学院社会学研究科特任教授。専門は文化精神医学・医療人類学・トラウマとジェンダー。精神科の医師として臨床をおこないつつ、研究をつづけている。1986年京都府立医科大学卒業。1993年同大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
91
2002年に『異文化を生きる』として出版された著者初の単著の文庫版。精神科医である著者が、ボストン在住の日本人を対象に行ったメンタルヘルス調査をもとに、海外で生きる日本人の「語られざる物語」を描く。渡米の背景には、日本社会での息苦しさや孤独があり、文化的摩擦や語学の壁に苦しむ人々の姿が浮かび上がる。うつ病や適応障害などの診断名では捉えきれない「傷のあわい」に焦点を当て、人生の選択や別れ、再生の可能性を静かに見つめる。巻末にはロシア文学研究者の名倉有里による解説を収録。2025/10/23
@nk
45
精神科医である宮地尚子。彼女の初の単著として2002年2月に出版され、 ちくま文庫から改題を経て2025年4月に出たのが本書。/1990年前後のボストンに住む日本人。彼ら彼女らの個人的な話が医療人類学の見方から(プライバシー保護の観点で脚色を混じえつつ)綴られていたのは、「渡米」という言葉の輝かしい響きに埋もれがちな苦悩。とはいえ、夢を掴むためにアメリカへ、仕事での海外異動、渡米して生活を心機一転…などには無縁の私からすれば、そんな人たちにも色々あるんだね、という軽い印象を受けながら読みはじめた。⇒2025/11/02
こばまり
42
人生で何らかの課題や不安を抱えた状態にありながらも、その対話にはどこか穏やかな雰囲気が漂う。読む者もまた、癒される思いがする。プライバシーの問題からフィクションとしているが、そのエッセンスは実在する人々であると思う。彼らのその後が気に掛かる。2025/05/04
ケイティ
32
とてもよかった。精神科医の著者がメンタルヘルス調査で、ボストンに住む日本人をカウンセリングしたエスノグラフィー。著者いわく「傷といわれるものの中でさまざまな濃淡や微妙な変化」という傷のあわいに、ただ耳を傾ける。寄り添いすぎず淡々としているが、誠実さとやさしさを終始感じる。気負いや不安や焦り、孤独から足元がぐらつき、倒れないように気を張る日々。20年以上前の話だが切実さは変わらず、異国でなくても他者と共生する社会そのものを細分化していくと、大なり小なり異文化に生きる感覚は誰にでもあるのかもしれない。2025/08/28
ほう
30
海外に住む人々の精神的な状態を綴るエッセイ。いろいろなケースが記されていて重い内容の場合もあるが、どれも優しい目線で描かれている。彼らのその後が気にかかるけれど、読みやすい本だった。2025/07/24
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