出版社内容情報
案内図を見て歩くだけでは触れることのできない鎌倉が、この一冊で。いざ、鎌倉を読む。源実朝から正岡子規、川端康成、小津安二郎、小川糸まで。
内容説明
グルメに古跡めぐり、ハイキングやサーフィンと多彩な楽しみを提供する人気の観光地・鎌倉。誰をも魅了するこの町は、鎌倉文士という言葉があるように、日本文学にとってもまた特別な場所だ。本書では、鎌倉とは何か、なぜ鎌倉であるのかを問いにして、編者が14作品を選び編む。源実朝から正岡子規、小津安二郎、川端康成、小川糸まで。ガイドブックで触れることのできない鎌倉を、あなたの掌に。
目次
金槐和歌集(源実朝)
鎌倉一見の記(正岡子規)
星あかり(泉鏡花)
道(高浜虚子)
この夏(宮本百合子)
滑川畔にて(嘉村礒多)
晩春(監督/脚色・小津安二郎/脚色・野田高梧/原作・広津和郎)
無言(川端康成)
薪能(立原正秋)
日常片々(永井龍男)
『ぼくの鎌倉散歩』より(田村隆一)
橋(黒川創)
『ツバキ文具店』より「夏」(小川糸)
現代語訳 太平記巻十(抄)
著者等紹介
藤谷治[フジタニオサム]
1963年生まれ。小説家。日本大学藝術学部映画学科卒業。『船に乗れ!』で2010年本屋大賞第7位。『世界でいちばん美しい』で織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まさ☆( ^ω^ )♬
8
ジャケ買いならぬタイトル買いでした。こういうアンソロジーは読んだ事のない作者の作品が読めて、それが新たな発見ともなり楽しいですね。小津安二郎監督作品の「晩春」(これは映画も併せて観たいものです)、立原正秋「薪能」、黒川創「橋」、小川糸『ツバキ文具店』より「夏」、が特に印象的。唯一読んだ事のある「ツバキ文具店」は好きな作品の一つ。何度読んでもいい。再読したくなりました。2024/12/01
yuki
4
鎌倉はちょうどよい散歩の場所だったのですが近年ものすごい人であふれてしまって。しかし北鎌倉や少し奥に入れば静かな街の顔を見せてくれます。改めて鎌倉の変遷してきた歴史や人物にも触れることができました。「晩春」(小津安二郎)と「薪能」(立原正秋)そして「ツバキ文具店」(小川糸)がよかったです。2025/05/04
Go Extreme
1
お化けの巣窟 湿り気のある風土 依存の連鎖 夜の鎌倉 鎌倉の妖しさ 古びた背後舞台 隠微な欲望 気持ち悪さ 陰気な雰囲気 鎌倉の静けさ 文学的魅力 観光地の裏側 曖昧な性質 懐かしい風景 歴史の重み 不気味な魅力 世代を超える記憶 文学の力 生活の片隅 文化の層 震災の痕跡 人々の情景 古都の内面 言葉の律動 場所の本質 文学的記憶 小さな日常 夜の静寂 地元の声 過去の残響 精神の風景 意味の層 時間の堆積 文学的地層 文化の深層 物語の痕跡 鎌倉の息遣い 場所の記憶 文学的肌理 忘れられた響き2025/04/15
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