出版社内容情報
思想の意味を見失い、放蕩と諦観の果てに洲之内が見出した誠意とは? 最初期の批評を含む美術エッセイの名筆を集めたアンソロジー第2弾。
内容説明
「「かすみ草」を見ていると、私はふしぎに、いま自分はひとりだという気がする。いい絵はみんなそうかもしれない」白洲正子がその審美眼に全幅の信頼を寄せた「目利き」洲之内徹。獄中「転向」によって思想の意味を見失い、その場その場を生き延びる習性を身につけた。放蕩と諦観の果てに、洲之内が見出した美への「誠意」とは―。戦前に書かれた最初期の批評を含む美術エッセイの名筆を集めたアンソロジー第2弾。
目次
批評精神と批評家根性と
結構な御身分
雑感
薬瓶
穴を掘る
同姓同名
岸田劉生「西瓜喰ふ童女」
靉光「鳥」
長谷川〓二郎「猫」
曹良奎「マンホール B」
大正幻想
中野坂上のこおろぎ
羊について
自転車について
栗ノ木川に風船が浮んだ
スノウィッチ・トオルスキー氏の憂愁
猫は昨日の猫ならず
X関係
私の青べか
シテ・ファルギェールのアトリエ〔ほか〕
著者等紹介
洲之内徹[スノウチトオル]
1913‐87年。愛媛県出身。美術エッセイスト、小説家、画商
椹木野衣[サワラギノイ]
1962年埼玉県秩父市生まれ。美術批評家。多摩美術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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