出版社内容情報
ソ連・満洲国境の監視哨の兵士たちを静謐な抒情で描く「鶴」を表題作とする短篇集にエッセイと中篇を加えたオリジナル編集版。戦争文学の名著復刊。
内容説明
戦時中、作者は満州と旧ソ連国境の監視哨で軍務にあたっていた。望遠鏡で覗く平原の不穏な静けさ、近づくソ連軍の足音、捕らえられた中国人・張徳義の悲しみ、兵士たちのあてなき逃走…シベリヤ抑留を経て帰国後に発表された第二短篇集『鶴』にあるのは、透明な抒情で書かれた忘れがたき人と光景である。戦争文学の名著として知られる短篇集にエッセイと中篇を加えた「傑作選」の一冊。
目次
1 鶴(張徳義;鶴;ガラ・ブルセンツォワ;脱走兵;可小農園主人;選択の自由;赤い岩)
2 デルスー時代から『鶴』へ―エッセイと中篇(“わが著書を語る”『鶴』;わたしのモデルたち;鶴;デルスー時代;地図)
著者等紹介
長谷川四郎[ハセガワシロウ]
1909年、北海道函館生まれ。法政大学卒業後、南満州鉄道株式会社、満州国協和会調査部勤務を経て、ソ満国境にて従軍。シベリア抑留の後、帰国。52年に『シベリヤ物語』を筑摩書房より刊行(現在、ちくま文庫)。その後も、小説、詩、翻訳、戯曲、エッセイなど幅の広い執筆活動を行った。87年没
堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年、岐阜県生まれ。作家、仏文学者、早稲田大学文学学術院教授。95年に第一作『郊外へ』(白水社)を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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